女性にもおすすめスリランカのサラマ (サロンSarong)
サリーの紹介と着るときのポイントは以前ブログに投稿⇒『サリー(オサリヤ)の魅力と、着るときのポイント(注意点)』(←タイトルをクリックすると該当記事にリンクします)していますが、今回紹介するのはサロン(Sarong)。
サロンは英語読みでシンハラ語ではサラマ(සරම)とも呼ばれます。
サラマはスリランカの男性が着用している腰巻のことです。
バングラデシュなどではルンギー(Lungi)と呼ばれていますが、スリランカでルンギというと、女性が着用する筒状には縫われていない巻きスカートのことを指します。
上記写真はメンズウェアショップのHameediaのリネンコレクション記事より転用
180cmほどの長さの布の両端を縫って筒状にしたものを履いて、余った布を腰元で折りたたんで着用します。体形が変わろうが着用することができます。
素材は多くは綿ですが、リネン(麻)や化繊などの素材のものもあります。
基本的にサラマは男性が着用するものですが、女性にもおすすめです。
女性用は筒状に縫われていないルンギがありますが、サラマのほうが様々な着こなしができます。
女性着用としてサラマを購入する場合は、同色単一模様のものよりも様々な織や色のパターンが入った綿織物の方が、出す色面によってバリエーション豊かに着用することができます。特にファブリックショップとして人気の『Barefoot』のサラマは色のパターンが美しくお勧めです。
↑色彩やパターンが豊富なベアフットのサロマ(Barefootのオンラインショップより転載)↑
男性もサラマの着方にバリエーションがありますが、上記2つは基本的なサラマの着方です。
左の方は主にフォーマルな場で着用される着方です。右の方は家着など日常で着用される着方です。右の着方の方が大股開きができるくらい動きやすい着方になっています。
左の着方は、片側に沿うように履いて余った布を反対の脇で折り返して上部を巻き込んだもの。右の着方は中央部で履いて両方の余った布の部分を両脇部分で折り返して上部を巻き込んだものです。ただ、恰幅の良い男性でも着用できるサラマですので、女性が上記の着方をすると布が余りすぎて上部の織り込む部分が多く腰回りがもたついてしまったり、着膨れして見えるのが難点です。
ここからは女性におすすめの着方を紹介します。上記の写真の左2つは同じ着方ですが、前面に持ってくる色味を変えたものです。上の写真の右端は紐を使った着方です。【中央にプリーツを持ってくる着方】
【腰回りにひだを作る着方】
上記は全て同一のサラマ
【サラマをおしゃれ着に復活させたブランド】
地域によって差はありますが、スリランカでは時代とともに着用されることが少なくなっているようです。
家着としてはまだまだ着用されており、家に帰ったらサラマに着替えるという人も多いようですが、若者の世代では家着としてでも着用率も少なくなっているようです。
ホテルやレストランのスタッフのコスチュームとして着用されているところもありますが、オフィスにサラマを着用して通勤する人はほとんどいないかと思います。
そんなサラマをおしゃれ着として普及させようとするブランドもあります。
その代表的なブランドが『LOVI Sarongs』。
2020年東京オリンピックでは、スリランカ選手団の公式コスチュームも手掛けました。
2015年創業のLOVI Sarongs。このブランドの創業者でブランドデザイナーはアサンカ デ メル(Asanka de Mel)氏。
サンフランシスコに拠点を置くアサンカ氏は、海外に居住したり旅をしているうちにスリランカの美意識や価値観は国際的な魅力があり、世界のファッションとして通用すると確信しデザイナーへと転身しました。
時代とともにサラマの着用率が減っている理由としてアサンカ氏が挙げているのが「ポケットがない」こと。
特に女性に比べてバッグなどを持ち歩かない傾向にある男性にとって、財布や携帯、鍵などポケットに入れている人も多いかと思います。
ただ、サラマはワンサイズの布をそれぞれの体型に合わせて巻き付けて着るスタイルのものです。どうやってポケットをつけるのか?
(LOVI Ceylon公式WEBページより転載)
アサンカ氏は従来は1サイズであったサラマを、SからLまでの3サイズ展開にしました。
サイズ展開によりポケットの位置が大体限定されるほか、女性でも着ることができます(すでにご紹介したように、通常のサラマは女性も着れますが、体型によっては腰元で折り返す量や布の余りが多くなり、もたついた感じになってしまします)。
さらには腰紐をつけることにより、着方自体を変えました。腰紐によりやせ型の人もすっきり着ることができます。
他にも、アサンカ氏は素材を変えたりして現代の生活スタイルにそった革新的でトレンディなサロンを発表しています。
今後は若者こそサロンを身に着けて、スリランカの街中を闊歩する姿が見られるかもしれません。
上記写真はファブリックブランド『Selyn』が8/7のWorld Handloom Dayを記念して、伝統産業(織物)についての認識を高める活動として行った、サリー、サロマを着用したスケートボーダーによるパフォーマンス。
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