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【スリランカ】ユネスコ無形文化遺産『ルーカダ ナータャ』

3月21日は『世界人形劇の日(World Puppetry Day)』です。

UNIMAは世界中の人形劇人で組織された国際的な団体で、1929年にチェコ共和国のプラハで創立され、1993年にユネスコのNGO(非政府組織)となっています。

スリランカの伝統的な操り人形劇は、シンハラ語では「ルーカダ  ナータャ(රූකඩ නාට්‍ය)」と呼ばれ、2018年にユネスコ無形文化遺産にも登録(Rūkada Nātya: traditional string puppet drama in Sri Lanka)されています。
ルーカダが『(パペット)人形』、ナータャが『ドラマ/劇』という意味のシンハラ語。
↑(写真は2023年3月21日にBMICHで開催された『World Puppetry Day』イベントでの上演)

スリランカの伝統的な操り人形は、身長90~120cm前後、人形の重さは平均して5〜10kgになります。
↑(写真は2023年3月21日にBMICHで開催された『World Puppetry Day』イベントの展示)
スリランカ南西部には悪魔祓いの儀式の風習があり、アンバランゴダは悪魔祓いなどに用いる仮面の生産地となっていました。
そんな仮面の彫刻師らが娯楽のために人形を作り始め、やがて音楽家や俳優が加わり、祭りや見本市で演じるようになり、民俗芸術として確立されていったとされています。
↑アンバランゴダは現在も仮面の町として、仮面博物館やショップが多く立ち並びます(写真はAriyapala Masks Museumの販売品セクション)

内輪の娯楽であった人形劇を民俗芸術に昇華させたのは、1850年代に西部の沿岸地域のアンバランゴダ(Ambalangoda)に住んでいた人形師Ganwari Podisirina(ガンワーリ・ポディシナ)と言われています。ちなみに、ポディシナ氏の父と祖父も人形師であったとされています。

ポディシナ氏は10 人ほどのグループを作り、人形劇を演出するための舞台装飾や舞台小道具、音楽を手配し人形劇を上演しました。

公演は、主に寺院の境内や農村地域の公共スペースで行われ、ジャータカ物語(本生譚:釈迦が人や動物として生を受けていた前世の物語)や、スリランカに伝わる歴史的物語などが音楽と共に上演されてきました。

アンバランゴダのガンワーリ家の人形遣いは、世襲的に受け継がれ、結婚や移住などによりアンバランゴダ以外にも、スリランカの南部(Mirissa/ミリッサ)とアンバランゴダの隣の(Balapitiya/バラピティヤ)を拠点に引き継がれています。

バラピティヤにある人形博物館(Puppet Museum)は2017年3/21の「世界人形劇の日」に開館しました。
博物館の創設者であり学芸員でもあるSupun Chathuranga Gaminiは、ポディシナ氏の曾孫に当たります。
彼は、現在スリランカで10ほどある人形遣いの団体の一つ『The Puppeteers of Lanka』のリーダーでもあります。

【人形のできるまで】
スリランカで人形造りに使われる木材は、主にカドゥル(和名:オオミフクラギ※キョウチクトウ科ミフクラギ属の木)と呼ばれる木が用いられます。
※バルサと訳されることもあり、バルサ材と性質は似ていますがは異なる木です。
この木は、英名Suicide Treeと名付けられている通り、全株(とりわけ種子)に強い毒性がある木です。
カドゥルは軽く切りやすく型も取りやすい上、害虫がつきにくく日光や湿気にさらされても腐りにくい特性があります。切り出されたカドゥルは、燻煙乾燥させて、加工に用いられます。
体のパーツをつなぎ合わせて胴体に仕上げ、綿をつけて人らしい丸みを出します。
塗装:昔は自然由来のインクを使っていたそうですが、現在は人工着色料が使われています。 
着付け:劇中のキャラクターに合った服を縫い人形に服を着せて、化粧や装飾を施して完成

【人形劇の舞台】
舞台裏は2段式になっています。
人形師が立つ部分は一段上になっており、黒幕で覆われ人形師の体は観客からは見えないようになっています。

【演目の例※タイトルはシンハラ語題目(英語題目)
【シリサンガボー ヒサ ダンディーマ(SIRISANAGABO HEAD DONATION)】
『マハーワンサ※(※紀元前5世紀頃に作成された、パーリ語で書かれたスリランカの約2,500年にわたる歴史年代記)に記された物語の一幕
シリサンガボー王(※Siri Sanghabodhi Iは252~254年のアヌラーダプラの王)ゴータバヤ(※Gothabhayaは254~267年のアヌラーダプラの王)の共謀により、自ら王位を退き森に引きこもり修行僧として瞑想を始めました。
王位に就いたゴータバヤシリサンガボーの復活を恐れて、シリサンガボーの首を持ってきた者に褒美を与えると通達しました。その通達により国内では殺人が多発しました。
ある日、貧しい農民が森でシリサンガボーと出会い、正体を知らないまま食事を共にしたときに現在の国の惨状を伝えました。
その話を聞いたシリサンガボーは自分の正体を明かし、罪のない人々の命を救うため、そして食事を振舞った農民へのお礼にと自分の首を切って差し出しました。

【サーリヤ アショーカマーラー(SALIYA ASOKAMALA )】
『マハーワンサ※(※紀元前5世紀頃に作成された、パーリ語で書かれたスリランカの約2,500年にわたる歴史年代記)に記された物語の一幕
紀元前161年~紀元前137年に在位していたアヌラーダプラの王ドゥトゥゲムヌ(Dutthagamani Abhaya)の息子であるサーリヤ王子は、アショーカマーラという低カーストの女性と恋に落ち、この女性のために王位と王家にまつわるすべての報酬を放棄し結婚しました。上記写真は、サーリヤ王子が森で初めてアショーカマーラに出会った場面。

【ウェッサンタラ ダル ダンディーマ(VESSANTHARA CHIEDREN DONATION)】
『ジャータカ※(※本生譚:釈迦が人や動物として生を受けていた前世の物語)に記された物語(#547)の一幕
ゴータマ ブッダが、前世にウェッサンタラ(Vessanthara)王子として生まれたときの物語。
ウェッサンタラ王子は、非常に思いやりがあり寛大な王子でした。彼は所有物、財産すべて手放し、森で隠者として暮らしていました。
上記写真は完璧を求めるために、自分の子供(娘と息子)さえも手放しジュジャカ(Jujaka)仙人に子供たちを引き渡す場面。
ジュジャカは子供たちを縛り、叩いて家畜のように道を歩かせました。ウェッサンタラ王子は子供を引き渡すという自己犠牲に、完璧な人間に一歩近づいたと喜びを感じていましたが、それが悲しみと後悔に変わり涙を流しました。しかし、彼は心を無執着にして子供たちに対する感情を消し去りました。

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