飲食や宿泊における課税について(2023年版)
スリランカを旅行された方から「食事に関して、安いところと高いところの差が大きかった」という感想を耳にします。
下記内容は以前の投稿記事「スリランカ旅行のお役立ち情報」にも記載しましたが、この項目のみ加筆して別記事にして紹介します。
現在スリランカは、ホテルや外食などのサービス産業の分野でいくつかの名目で課税されています。2019年に廃止されたVAT(Value Added Tax:付加価値税)も、2022年1月より復活しています。
●飲食店
スリランカのレストランは大まかに分けて3つ。
地元の方が日常的に利用する食堂(Hotelと看板を掲げていることがありますが、宿泊施設ではありません)や日本でもおなじみマクドナルドなどのファストフード店、ガイドブックにも載っているような、外国人観光客も多く利用するレストラン。
レストランのメニューを見てみると、メニューの下に
『10% SERVICE CHARGE PLUS GOVERNMENT TAX APPLICABLE(10%のサービス料と税金がかかります)』
『Prices are subject to 10% service charge and government tax(価格には10%のサービス料と税金が加算されます)』
という文言が書かれているところがあります。
サービスチャージは10%と書かれているため明確ですが、Government Taxは税率が書かれていません。
メニューに外税と書かれている場合は、大まかに下記の3つに分かれます。
税率は事業者の業務形態や規模によって変わるため、その飲食店がどの税率を課税しているのか利用者にはわかりかねまですが、高級店や外資系飲食店(ファストフード店を除く)などは課税率が高い傾向にあります。
●メニュー表示価格+サービスチャージ10%(トータル10%)
●メニュー表示価格+サービスチャージ10%+VAT15%(トータル25%)
●メニュー表示価格+サービスチャージ10%+VAT15%+TDL1%(トータル26%)
VAT15%※(Value Added Tax:付加価値税)がかかるところ。さらにはTDL1%(Tourism Development Levy:観光税)を加算する場所もあります。
※10/31追記)2024年1月1日よりVATが18%に引き上げられる予定です(ニュース記事)
そのため、メニューに上記のような文言が書かれているお店の場合、店の事業規模により税率は変わりますが、サービスチャージも含めてメニュー価格の10%~26%が加算されると考えるとよいかと思います。しかも設定方法のためか、多くのお店は10%のサービスチャージを加算した小計にVATを加算しているところも多いので、余計に合計が高く感じてしまいます。
課税対象以下のローカル食堂ではこのような税金は加算されません。
とはいえスリランカはチップ文化。サービスチャージが入っていない場合は、飲食合計の1割分(10%)のチップをおいておきましょう。
●ホテル(ホテル内のレストランも含む)
多くのホテルでは宿泊料金やホテル内のレストラン、ルームサービスなどの料金には、サービスチャージ10%にVAT15%※(Value Added Tax:付加価値税)、SSCL2.5%(Social Security Contribution Levy:社会保障負担金)の合計27.5%またはTDL1%が加算されて合計28.5%かかります。
●メニュー表示価格+サービスチャージ10%(トータル10%)
●メニュー表示価格+サービスチャージ10%+VAT15%(トータル25%)
●メニュー表示価格+サービスチャージ10%+VAT15%+TDL1%(トータル26%)
●メニュー表示価格+サービスチャージ10%+VAT15%+SSCL2.5%(トータル27.5%)
●メニュー表示価格+サービスチャージ10%+VAT15%+SSCL2.5%+TDL1%(トータル28.5%)
参考)とあるホテルのカフェでカフェラテを注文した際のレシート
上記を見てわかる通り、VATの15%は商品(カフェラテ)の800ルピーだけでなく、サービスチャージ10%(80ルピー)、TDL1%(8ルピー)、SSCL2.5%(22.2ルピー)を合計した910.2ルピーに15%が加算されている(つまり商品以外の110.2ルピーにもVAT15%がかけられている)ため余計に最終合計が高くなっています。
参考)とあるホテルのレストランで飲食した際のレシート
こちらも同じく、VATの15%は飲食分の2949.51ルピーだけでなく、サービスチャージ10%(294.95ルピー)、TDL1%(29.5ルピー)、SSCL2.5%(73.74ルピー)を合計した3,347.7ルピーに15%が加算されている(つまり実際の飲食分以外の398.19ルピーにもVAT15%がかけられている)ため余計に最終合計が高くなっています。
上記のように中級以上のホテルでの飲食は、単独の飲食店よりも高くつきます。
ホテルの宿泊料金やブッフェなどの料金では、netと書かれているものがあります。
スリランカの場合、NETと表記された金額は、諸税を含めた最終金額(実際に支払う金額)を意味しています。 内税だと実際に支払う金額が明確なので利用しやすいかと思います。
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