スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿記事テーマ別一覧

当ブログは、 【現地情報】 【旅行準備】 【お土産/買い物】 【観光】 【イベント/祭り】 【ホテル情報/施設情報】 【自然/ 動物】【レシピ】【ジェフリーバワ】 【その他】 のカテゴリで投稿しています。 記事のタイトルをクリックすると該当記事にジャンプします。 【現地(スリランカ)情報】 スリランカ&ジェフリーバワがトレンド⁉ (2025年4月3日投稿記事) スリランカ大統領選挙投票日(9月21日) (2024年9月14日投稿記事) 2025年祝祭日一覧と行事について (2024年8月3日投稿記事) スリランカの薬局で買える薬の一例とスリランカで病院にかかる場合 ( 2023年7月10日投稿記事) 観光地でのUber(Pick Me)の利用の注意とコツ ( 2023年6月1日投稿記事) バンダラナイケ国際空港(BIA)到着後の流れ ( 2022年12月29日投稿記事) [スリランカ] 破産宣言??? ウィクラマシンハ首相発言全文 ( 2022年7月8日投稿記事) スリランカのお店、訪問時間にご注意。 (2022年6月30日投稿) シャッターチャンスを逃さない 高原(紅茶)列車の旅 ( 2022年3月7日投稿記事) スリランカでドローン撮影 ( 2021年12月2日投稿記事) 本当のランプライス (2021年8月6日投稿記事) スリランカのワクチン事情 (2021年6月10日投稿記事) スリランカサッカー プレミアムリーグ開幕と日本人選手 (2021年4月19日投稿記事) デング熱注意報 (2019年12月30日投稿記事) ス リランカ大統領選挙 ( 2019年11月18日投稿記事) 空港から南部へ一直 線 (2019年11月8日投稿) スリランカのお酒事 情 ( 2019年10月28日投稿) 【旅行準備】 ETA申請マニュアル(2025年版) (2025年5月8日投稿記事) スリランカ列車、オンライン購入マニュアル (2024年4月4日投稿記事) スリランカ航空直行便 夏季運航スケジュール(2024年4/1~10/30)と滞在早見表 (2024年3月27日投稿記事) [スリランカ入国]入国カード(Arrival Card)が、オンラインで申請・提出可能になりました ( 2023年1月2日投稿記事) ) 【こんなことができる‼】スリランカ弾丸1泊旅行 (...

アーサー・C・クラークを辿る旅

12月16日は、人間にとって根源的な問題をSF小説を通して問い続けてきた作家であり科学者、未来学者であったアーサー チャールズ クラーク(Sir Arthur Charles Clarke:1917-2008)の誕生日です。

クラーク氏はイギリスのサマセット州で生まれ育っていますが、人生の半分以上をスリランカで過ごしています。

1977年には『スリランカから世界を眺めて(原題 The View from Serendip)』というスリランカでの暮らしに触れたエッセイ集も発表しています。

1979年に発表された『楽園の泉 (原題 The Fountains of Paradise)』の文頭には「本作は架空の島国(本文の名称はタプロバニー)について書いているが、約90パーセントまではセイロン島と一致して いる」と書いている通り、スリランカが物語の舞台や思考のベースにあることがわかります。ちなみにスリランカにおける最初のシンハラ人王国であるタンバパンニ王国は、タップロボーン(タプロバーナ)と呼ばれていました。また、文中に出てくる霊山スリカンダスリーパーダ(Sri Pada/Adams Peak)、岩の要塞ヤッカガラは、シギリヤロック(Sigiriya Rock)であるとされています。

1954年に初めてスリランカ (当時の国名は"セイロン")を 訪れ(オーストラリアのグレートバリアリーフに向かう途中、たまたまスリランカで数日足止めされたことがきっかけ)、島に魅了されたクラーク氏は1956年にスリランカ に移住しました。それから亡くなるまでの2008年までの52年間、クラーク氏はスリランカを拠点に暮らしました。

トリンコマリー(Trincomalee)

スキューバダイビングや水中探査のパイオニアでもあった彼は、1956年に写真家のマイクウィルソン(Mike Wilson)とともにトリンコマリー(Trincomalee)でダイビング中に花の徽章が刻まれた柱や象の頭をかたどった石、寺院の石組みや建築物、偶像がの浅い海底に広がっているのを発見したといいます(これがコネスヴァラム寺院の再建(1963年)にも繋がっています)。この時の様子について、1964年5月に刊行されたExpedition 6,no. 3(🔗Ceylon and the Underwater Archaeologist/P18-21)に寄稿しています。

ウナワトゥナ(Unawatuna)

スリランカに移住を決めたクラーク氏が、スリランカで初めに暮らしたのが、南部のウナワトゥナ(Unawatuna)だったといいます。

キリンダ(Kirinda)

クラーク氏と前述のマイクウィルソン氏は、1961年にキリンダ沖合にあるGreat Basses Reef Lighthouseの周辺で、沈没船を発見しました。このことについては『The treasure of the Great Reef』の題名で、マイク氏撮影、クラーク氏ナレーションによる同名のドキュメンタリーが製作されたほか、クラーク氏は同名の本も執筆しました(1964年出版)。

この船には1702年と刻まれた数千の銀硬貨が含まれており、調査の結果最終的には18世紀初頭に沈没したムガル帝国(インド)の6代目君主アウラングゼーブの所有していた船であることがわかりました。

この沈没船の調査については、水中考古学者のピータースロックモートン(Peter Throckmorton)が先出の🔗Ceylon and the Underwater Archaeologist/P21-31に寄稿しています。

ちなみにこの沖合は岩礁となっており、多数の船が難破したエリアでもあり、現在は沈船ダイビングのメッカとなっています。

ヒッカドゥワ(Hikkaduwa)

スリランカ最大のダイビングエリアであるヒッカドゥワにはクラーク氏の別荘(通称SCUBA VILLA)を所有し、1986年にはヘクターエカナヤケ(Hector Ekanayake)と共同でダイビングビジネス(Underwater Safaris※2004年のインド洋大津波の影響で閉業)を営んでいた場所の一つでもあります。

コロンボ(Colombo)

コロンボ7地区にはウナワトゥナの後に移り住んだ家があります。パートナーであったレスリー(前述のヘクター氏の兄弟)の名をとり、レスリーハウスと呼ばれています。表札には、クラーク氏とヘクター氏の名前が現在も掲げられています。クラーク氏の部屋は生前の時のまま残されているといいます。


手前の門に掲げられた表札は英語での記載。一行目は❝LESLIE'S HOUSE❞。二行目にはArther C Clarke。三行目はHector Ekanayake

手前の門を通過した先にあるもう一つの門の表札はシンハラ語で表札が掲げられています。


一行目は❝ලෙස්ලි නිවස(レスリー ニワサ)❞※ニワサはシンハラ語で「家」の意味。二行目にはආතර් සි ක්ලාක්(そのまま読むとアータ シ クラーク)。三行目はහෙක්ටර් එකනායක(そのまま読むとヘクタ エカナーヤカ)。
上記写真はホテルの公式ページより転載

コロンボにある創業160年を誇り、世界の要人が宿泊した伝統ホテルゴールフェイスホテル(Galle Face Hotel)

クラーク氏は1年間このホテルに滞在して、1997年に出版された「3001年終局への旅(原題 3001: The Final Odyssey)」の最終章を書き上げたといいます。

ホテルのライブラリーには、クラーク氏の頭部のブロンズ像が飾られています。

クラーク氏は2008年3月19日コロンボの自宅にて、ポリオ後症候群に起因する心不全で逝去しました。享年90歳でした。1962年にクラーク氏はポリオと診断され、1988年にはポリオ後症候群と診断されてから亡くなるまでほとんど車椅子生活だったということです。

クラーク氏はボレッラ墓地の、パートナーでありクラーク氏死去の31年前に29歳の若さで他界していたレスリーエカナヤケ(Leslie Ekanayake)の隣に埋葬されています。

左がクラーク氏の墓石、真ん中がレスリー氏の墓石

ちなみに、ダイビングの共同経営者であり長年の友人関係でもあり、レスリー氏の兄弟であったヘクター氏(Hector Ekanayake)は、2023年3月20日に逝去しています。

モラトゥワ(Moratuwa)

クラーク氏1979年から2002年まではスリランカのモラトゥワ大学(University of Moratuwa)の学長を務めました。(1989年から2004年まではアメリカの国際宇宙大学の初代学長も兼任)。

クラーク氏のゆかりの場所を巡る旅も、テーマとして良いかもしれません。

🔗Amazon/アーサーCクラーク本

📝旅の準備に役立つ人気の旅行ガイドブックや専門書なども最新版が出ています。

コメント

このブログの人気の投稿

[スリランカ] 2025年祝祭日一覧と行事について

  2025年のスリランカの祝祭日 が7/31付けの官報( Public and Bank Holidays for the year 2025 )で発表されました。 2025年は、 1月と5月に土日と合わせて 4 連休 、 4月と8月と10月は土日と合わせて 3 連休 があります (おそらく4月も3連休から4連休に変更になりそうです)。 スリランカの祝日は 仏教、ヒンズー教、イスラム教、キリスト教、4つの宗教が関連 しています。 さらに スリランカは毎月満月の日が祝日 となります。これは ポヤデー(Poya Day) と呼ばれる仏教由来の祝日で、月に一度満月の日は経済活動(仕事)や飲酒や肉食を絶ち、寺院に参拝し敬虔の念を深める目的があります。 下記の祝日には3つのマークを付けました。 いくつかの祝日は、民間企業では休日ではありません 。 ほぼ全部 Public Holiday と Bank Holiday に該当 しますが、 Mercantile Holiday(商業の休日)はマークがついている祝日のみ (お店のオーナーまたは経営者の宗教によっても休みが異なります)。 ◆ Public Holiday:一般の祝日(公的機関や学校などが休み) ◆ Bank Holiday:銀行の休日 ● Mercantile Holiday:民間企業/商業の祝日(国全体の休日/国民の休日) 1月  📝 1/11-14は4連休‼ ※ スリランカの正月(正式には 「シンハラ・タミルの正月」)は4月 で、 1/1は祝日ではありません が、 仕事始め の意味があるので、会社などでは各家庭から持ち寄ったお祝い菓子やミルクライスで新年を祝います。 13日(月) : ドゥルトゥ ポヤデー(満月日) ◆ ◆ ● ※ スリランカ各地で行われるペラヘラで、ある程度規模の大きなものが、 コロンボ郊外ケラニヤで2日間に渡り行われる「ドゥルトゥペラヘラ」 。毎年1月のドゥルトゥ月の満月日の前夜を最終夜に3日間にわたり開催されます(寺院周辺も練り歩くペラヘラは 第三夜のみ )。 2025年は1/10,11,12 で開催されると思われます(※公式発表ではありません)。 14日(火) : タイポンガル(タミル豊穣祭) ◆ ◆ ● 2月 4日(火) :独立記念日 ◆ ◆ ● ※ 毎年、 コロンボ(Colo...

サリー(オサリヤ)の魅力と、着るときのポイント(注意点)

2022年9月追記) スリランカでは男性が着用するサラマ(サロン)の女性におすすめの着方について記事にしました→ 『 女性にもおすすめスリランカのサラマ (サロンSarong) 』 (←タイトルをクリックすると該当記事にリンクします) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー サリー(Saree/Sari) は、スリランカを含むインド、ネパール、バングラデシュなど南アジアで着用されている女性の民族衣装の一つです。 共布で作ったブラウスに 5メートル以上の長い布を巻き付けて着用します 。布の 巻き付け方によって様々な着こなし をすることができるほか、どんな体型でも着ることができます。 サリーの素材は コットン(綿) や 化繊 、 シルクな どが多く、光沢のあるものや図柄やパターンが印刷されたもの、染色されたもの、手織りのものなど サリーの種類は 千差万別 です。 📝 サリーを購入するなら⇒ 『 Amazon/サリー一覧 』 スリランカでは大きく分けて2種類の着方 がされています 。 下の写真が多くの方がイメージするインド式のサリーの着方かと思います。 サリーを着用する国の大半はこの着方がベースになっているかと思います。 こちらは上のサリーをアレンジしたもの。タックを止めずに着流したものです。パーティ―など宴席で多く見られる着方です。 下の写真 は上下2部に分けるように腰回りに襞を作っています。 これはスリランカならではの着方 です 。 スリランカでは、多くの国で着られる左二つのインド式の着方は 「 サリー または インディアンサリー 」 と呼ばれています。一番右のスリランカ独自の着方は 「 オサリヤ または キャンディアンサリー 」 と呼ばれています。 下記の布の場合、端にある 大きな絵柄がインド式サリーとして着た場合は後ろ(横)に垂らすタレ に来るように着つけます。 オサリヤ(キャンディアン)として着た場合は正面などスカート部分に大きな絵柄 が来るように着つけます。 どの着方でも、共布で作った ブラウス(へッタ) をきて、サリー用の アンダースカート に 1枚の布 を巻き付けて着ています(↓)。アンダースカートは通常サリーの色に合わせて同系色を選びます(通常青色のサリーの場合は、青色のアンダースカート)。 通常サリーを購入した場合、サリーの 端1メ...

景観列車『エッラオデッセイ』景観ポイント解説&座席や購入方法について

追記)2024年3月14日より、発売初日の窓口販売は廃止となり、オンライン予約のみとなりました(初日以降は窓口購入可能)。オンライン予約の規約も変更となっていますので、下記の指定席購入方法の欄の記載とは異なっていますのでご注意ください。オンライン購入の手順については、 『 🔗 スリランカ列車、オンライン購入マニュアル 』 の記事をご参照ください。 ------------------------------------- スリランカの中央高地 を走る列車は 「高原列車」 または 「紅茶列車/紅茶鉄道」 とも呼ばれ、紅茶畑や遠くに連なる山並み、滝など、車窓からの眺めが美しく観光客にも人気の路線です。 4/20追記) 目黒連さんが出演する『 キリン午後の紅茶おいしい無糖 』の新CM『紅茶鉄道に乗って』編の撮影の舞台でもあります。 そんな路線の "車窓からの眺めを楽しむ" に特化した列車 『エッラ オデッセイ』(列車番号 往路1041/復路1042) については、 『 シャッターチャンスを逃さない 高原(紅茶)列車の旅 』 (←タイトル名をクリックすると記事にリンクします) で記事にしていますが、始発や時刻、運行曜日など変更になっていますので、実際に乗車したときの写真を交えて改めて取り上げました。 【記事目次】 1.エッラオデッセイ(Ella Odyssey)とは 2.座席クラスによる利点と欠点 3.指定席購入方法と注意点 追記)2024年3月14日より、発売日の窓口販売は廃止となり、オンライン予約のみとなりました (初日以降は窓口購入可能) 。オンライン予約の規約も変更となっていますので、下記の指定席購入方法の欄の記載とは異なっていますのでご注意ください。 オンライン購入の手順については、 『 🔗 スリランカ列車、オンライン購入マニュアル 』 の記事をご参照ください。 4.主な停車駅と景観スポット 5.移動時間と金額重視なら!! 6.注意事項(スリランカの列車事情/列車事故) 1.【エッラオデッセイ(Ella Odyssey)とは】 コロンボフォート(Colombo-Fort) から、 バドゥッラ(Badulla) を10時間23分かけて走る この列車は、 10の景観ポイントで2〜3分間減速または停車をします 。 そのため 写真やビデオ撮影、景観...