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スリランカ(指定地域外)から日本に猫を連れて帰る方法(記録)

海外でと暮らしていて、本帰国時に一緒に日本に連れて帰ろうとしている方は多いかと思います。ただ、人間と違って動物を日本に連れて帰るには多くの事前手続きが必要です。

特に2回目以降の狂犬病予防注射後に行う、狂犬病抗体検査用の採血日から180日間の待機期間が必要なので、半年以上前から準備をしなければなりません。

実際にスリランカから猫を連れて帰った経験談を基に、手続きの流れを記録として残しておこうと思います。

【前情報】

動物種:猫(雑種)-名前は「ニコ

帰国時の年齢:約1歳半※保護猫(2023年7月保護)のため正確な生年月日は不明ですが、獣医師による推定月齢の判定を基に、動物病院の予防接種記録手帳を作る際に、2023年5月1日生まれに決定

帰国日:2024年6月末

利用便:スリランカ航空(UL454便)

【はじめに】

入国(輸入)条件の確認や手続きの流れは、🔗農林水産省動物検疫所の輸入手続きの手引書(「犬、猫を輸入するには」)に沿って進めました(の場合は、今回紹介するの場合よりも条件が多いため注意)。

まず、出発する国(仕出国・地域)によって、🔗「指定地域(アイスランド、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー諸島、ハワイ、グアム)」か🔗「指定地域外」かで輸入手続が異なります。スリランカは『指定地域外』に該当するため、これからの記載は全て「指定地域外」の手続きに沿っての記録となります。

【指定地域外から猫を連れ帰る(輸入)際の要点】
マイクロチップの埋め込みが必要。
最低2回以上の狂犬病予防注射(1回目の狂犬病予防注射は生後91日齢以降、2回目の狂犬病予防注射は、1回目の狂犬病予防注射から30日以上かつ1回目の狂犬病予防注射の有効免疫期間内)をしている必要がある。ただし、マイクロチップの埋め込み前の狂犬病予防注射は無効例外:2回目の狂犬病予防注射時にマイクロチップの埋め込み、狂犬病抗体価検査用の採血を同日に行えばマイクロチップ埋め込み前の1回目の狂犬病予防注射が有効とされる)。
■2回目以降の狂犬病予防注射後に行う、狂犬病抗体検査用の採血日から180日間の待機期間が必要
180日間の待機期間を経ずに帰国(輸入)した場合は、180日に達するまで検疫所の預かりとなる。待機期間(180日間)を経て帰国(輸入)した場合は、空港検疫(12時間以内)を経てその日のうちに家に連れて帰ることができる

スリランカでは、動物病院にかかる際(一時的利用は除く)に希望の有無に関係なく狂犬病予防注射をされるため、狂犬病予防注射をする際は、その時点で日本帰国や他国へ出国予定が無かったとしても、マイクロチップも同時に入れておくと日本に連れて帰る際の条件の一つである狂犬病予防注射の接種回数を最低限にできるのでいいかと思います。

ニコ(猫)の場合、2023年7月に保護した時は衰弱をしており、その日に動物病院で保温や抗生物質などを注射してもらい、その後も補液や栄養補給などをしてもらいましたが、その間は狂犬病予防接種は要求されませんでした。その後元気に回復し猫三種混合ワクチンを希望した際に、先に狂犬病予防注射をしなければならないと言われて、2023年8月に1回目の狂犬病予防注射をしましたが、その際は猫を連れての帰国のことまで気が回っていませんでした。

その後、日本帰国時にニコも連れて帰ることも想定して手続きについて調べたところマイクロチップ埋没前の狂犬病予防注射は無効とありました。まだ子猫なのにさらにあと2回打たねばならないのかと心配しましたが、例外規定に「2回目の狂犬病予防注射時にマイクロチップの埋め込み狂犬病抗体検査用の採血を同日に行えばマイクロチップ埋め込み前の1回目の狂犬病予防注射が有効とされる」との記載があったため、2023年12月に2回目の狂犬病予防注射をするときに、マイクロチップの埋め込み狂犬病抗体検査用の採血を同日にしてもらったことで、8月の狂犬病予防注射を1回目として有効にすることが出来ました。
本来は、狂犬病予防注射(ワクチン)の効果を確実にするために、狂犬病抗体検査用の採血は、ワクチン接種から2週間程経ってからの採血が推奨されています。2回目の狂犬病予防注射と狂犬病抗体検査用の採血を同日に行うのは2回目のワクチンの効力がない状態での採血となるため、抗体価の基準値を下回る(輸入基準を満たしていない)恐れがあります。

ちなみにスリランカではマイクロチップの埋め込みが出来る動物病院は限られているので、事前に確認することが必要です。幸い保護時に最初に連れて行った動物病院(🔗Pet V Care)が大型の動物病院で、狂犬病予防注射、マイクロチップの埋め込みから狂犬病抗体価検査用の採血、輸出前検査(民間部分)まですべてをここで行うことが出来ました。

【動物病院での記録についてのアドバイス】

スリランカ政府動物検疫所で行う輸出前検疫では、証明書発行に際してワクチンの記録など動物病院の記録の全頁を確認されました。

予防注射の記録等は必須ですが、そのほかもできる限り詳細に記入してもらうようにしておきましょう。政府動物検疫所では、駆虫の記録がないと指摘を受けました。日本は輸入の際の必須事項にはありませんでしたが、検疫所の方曰く輸出国によっては記録が必要とのことでした。

ちなみにPet V Careでは処置の一環として駆虫薬を投与されましたが、記録には残っていませんでした。その後も、駆虫薬も含めて投薬や受診についての記入はないため、必要とあれば普段から記入を依頼してもらうと良いかと思います。避妊手術時も記録手帳に何も記載されなかったため、こちらから手帳への記録を依頼しました。

↑ワクチン接種の際は使用ワクチンのラベル接種日実施動物病院ならびに獣医師の署名があることを確認しましょう
Pet V Careの記録手帳の見開きのページ。マイクロチップ埋め込みの際にマイクロチップ番号が貼付されましたが、政府動物検疫所では、マイクロチップの埋め込み日の日付も記載するように指示を受けました。

【狂犬病抗体検査(抗体価が規定値以上であることの証明書の取得)のための血清の取得】

2回目の狂犬病予防注射後(同日可)に採血した血清を、検査施設に送付し狂犬病に対する抗体価を測定してもらう必要があります。輸入条件は狂犬病に対する抗体価が0.5IU/ml以上でなければなりません

狂犬病に対する抗体価の測定は、日本の農林水産大臣の指定する検査施設で行う必要があります。指定検査施設のリストは、🔗このリンクから確認できます。スリランカには指定検査施設がなかったため、私は、リストにあった日本の🔗一般財団法人生物科学安全研究所に依頼しました。狂犬病抗体検査証明書(兼申請書)は日本語様式もありますが、証明書記入元(私の場合はスリランカ)で認可される言語の様式である必要があるため英語の様式を使用。

ただ、ここでひと悶着ありました。狂犬病抗体検査証明書(兼申請書)には、採血獣医師の直筆のサイン(署名)が必須となります。

一般財団法人生物科学安全研究所は、ハンドキャリー(人による携帯輸送)での日本国内への輸送も可能但し犬の血清(血液)の場合、事前に輸出入検疫を受ける必要があるので注意。の血清の場合は不要)としていて、ハンドキャリーで国内に持ち込んでから日本入国後に郵送の手順が可能と記載があり、メールにて確認したところ、検体の送付元は飼い主(ただし、同封する狂犬病抗体検査証明書兼申請書の獣医師記入欄への記入は必須)からでも動物病院からでも受け付けているとの回答であったため、一時帰国時にハンドキャリーで持ち込む予定だと動物病院に伝えると、血清を持ち帰るならば申請書類に署名はできないと言われてしまいました(すり替えなどを危惧?)。

それならば動物病院から直接、一般財団法人生物科学安全研究所に送ってほしいと告げると、これまではイギリスの検査施設に送っており、上記の日本の検査所には送ったことがないのでイギリスに送るので良いなら引き受けると言われてしまいました。

イギリスの検査施設に送った場合の費用やかかる時間が上記の日本の検査所への送付よりもはるかに上回っていたため、動物の輸入検疫や一般財団法人生物科学安全研究所の該当ページを印刷して説得するも見解変わらず。

そんな時に、2012年にスリランカから猫を日本に連れ帰った方がいたので、手続きについて相談してみると、その方は偶然にも同じ動物病院(当時の所在地は異なる)を利用していて、その動物病院から検体(血清)を受け取り、スリランカから自己手配で日本の同検査所に送付したとのこと。書類を保管しているとのことで書類のコピーをもらい、改めてそのコピーを見せると、見解が変わり検体の持ち帰りが許可されました。さらには検体の内容証明書も発行してくれたました。(注:の場合は証明書の携帯は必須事項ではありません。反対に犬血清の場合は、狂犬病とレストスピラ病に罹患していない旨の輸出国政府機関による証明書又は獣医師による証明書に輸出国政府機関の裏書きしたものが必要となるようです )。

(※スリランカ人気質として、前例にないものに対してはとても慎重になる傾向にあります。反対に今回のように前例があればスムーズにいくという典型的な例でした)

【血清の保存と送付(持ち運び)】

ちなみにハンドキャリーにしても海外からの送付にしても、血清を輸出(持ち出し)するための包装は、🔗IATA(国際航空輸送協会)の650号(感染性物質 infectious substanceを含む可能性が低い診断材料diagnostic specimenの包装指示)に準拠する必要があります。三重包装を原則として、輸送による振動、また温度、湿度及び気圧の変化に際しても診断材料が漏れ出さない構造でなければならないとあります。

血清の保存ならびにハンドキャリーでの輸送方法について一般財団法人生物科学安全研究所に問い合わせた際に、下記の回答がありました。

『血清は冷蔵で3か月ほど検査可能な状態を保持できます。常温でも1週間ほど保存できますが、なるべく冷たい状態が続いたほうが傷みにくいので帰国の際は可能でしたら少量の保冷剤を添えて頂き移動されると良いかと存じます』

上記の回答を受けて、動物病院より血清を受け取り、一時帰国までは自宅の冷蔵庫で保存。帰国時は保冷剤を添えて手荷物として機内に持ち込みました。何か指摘された場合に動物病院が発行してくれた検体証明書を出せるようにしていましたが特に指摘はありませんでした。ただ、手荷物よりも預け荷物に入れた方が良かったかもしれないと思いました(預け荷物で指摘された場合は手荷物としてのオプションがあるけれども、手荷物で搭乗前の検査の際に指摘されてNoといわれた場合は手放す以外にオプションが無いので)。

梱包については、🔗農林水産省動物検疫所の三重包装の例(IATA650準拠)(下記図)を参考にしました。動物病院からは、下記図の1次容器(ラベル付き)に入れられた状態であったため、ジプロックに左記の一時容器を脱脂綿でくるんで挿入(二次容器)して、さらにジプロックの開封口をテープで密封しました。ジプロックの表面には、検体情報(猫血清/Serum of Cat)、 猫の名前、マイクロチップ番号、 生年月日を英語で記入した紙を貼付しました。

そのまま搬送日まで冷蔵庫で保存し、搬送日はプラスチックの容器(タッパー)に脱脂綿と二次容器、上記の検体情報の紙をもう一枚入れて、タッパーの開封部をテープで封をしました(三次容器)。それをアルミフィルムの保冷袋に小さい保冷剤(100ml以下であれば、機内持ち込み可能なため)を入れて手荷物として持ち込みました。日本到着後は、三次容器の状態で発砲スチロール箱に新しい保冷剤と、狂犬病抗体検査証明書(兼申請書)を入れてクール宅急便で一般財団法人生物科学安全研究所に送付しました。

証明書はスリランカの住所(申請住所)にEMSで届きました(証明書の送料は検査料金に含まれているようです)。
ニコの抗体価は1.1IU/mlと、基準値(0.5IU/ml以上)をクリアしていました。
ただ、到着予定の空港の管轄である成田検疫所に輸入前事前申請をした際にこの書類の画像も添付しましたが、私がニコの生年月日の記載順序(5/1生まれですが、上記の記載のように年が最初だと1/5生まれとなる)を間違えており、成田検疫所から確認の連絡(メール)が入りました。正しくはそのほかの申請書通り5/1生まれであると告げると、二重線や訂正などは絶対しないよう(提出後の加筆は無効となるため)に指導を受けたため、入国時に空港検疫で原本書類を提出する際はこのまま提出しました。

【航空券の予約】

日本到着40日前までに、到着予定空港管轄の動物検疫所に届出が必要なため、帰国の約2か月前に航空券を予約しました。

2024年の時点で、スリランカ-成田の路線でトランジットも含めて猫を機内に持ち込める航空会社はなく(以前就航していた大韓航空は機内持ち込み可能だったようです)、日本までの唯一の直行便となるスリランカ航空UL454便(コロンボ-成田)を利用することにしました。

スリランカ航空では、基本的に鳥、ウサギ、観賞魚は受託手荷物(checked baggage)として預けることが出来ます。ただし、貨物室に空調設備を兼ね備えた機体の場合に限るとのこと( https://www.srilankan.com/en_uk/PlanAndBook/luggage[Pets and Service Animals]の項を参照)。費用は、無料手荷物許容量範囲内でも別途超過荷物料金(利用当時は1kgにつきUSD31)がかかります。

スリランカ航空が定める預かり不可の犬種・猫種(↓下記)

チケットの予約前に、搭乗条件等を確認しにコロンボのスリランカ航空のオフィスに出向きました。

基本的にコロンボ-成田便(UL455/UL454)は空調設備を兼ね備えた機体とのことでしたが、まずは搭乗日が決まったら、搭乗日の機体が預かり可能な機体かどうか確認するため、チケットは仮予約となりました。

仮予約の際に、輸出前検疫や運搬のペットキャリーの条件や連絡先など必要事項を書いた紙(下記写真)を頂きました(PCR検査は2024年時点では不要。また、いくつかの連絡先や人物が変わっていました)。あくまでスリランカ航空は全ての輸出基準をクリアした場合にのみ預かり可能とし、その手続き等において一切スリランカ航空は関与しないと念を押されました。

仮予約の翌日に、スリランカ航空より搭乗日の機体についての回答が来ました(電話連絡)。
預かり可能(搭乗の約2日前に利用機体の最終確認は必要)となったため、再度オフィスに出向き発券手続きをしました。発券時にはペットキャリーのサイズを告げるように言われたため、寸法を測ってメモと念のため写真を持参しました。

発券されたEチケットには、動物連れであることがちゃんと記載されていました。

【キャリーケージ/ペットケンネル】

スリランカ航空の場合、預け荷物のペットケージはIATA (International Air Transport Association)の基準を満たしている必要があります。使用ペットケージが基準に満たしているかどうか、上記でもらった紙に記載のある場所で事前に確認するように言われました。

私は、以前猫を飼っていた時に使っていたペットキャリー(約10年前に購入)を一時帰国の時にスリランカに持ち帰り使用しました。

参考:↓私が使用したキャリーケージ(サイズ55x33x32cm)

🔗『航空輸送対応 ペットキャリー一覧/Amazon』
航空会社によって機内持ち込み、受託手荷物など預け方法によってペットキャリーの規定が異なるので、利用航空会社に確認が必要です。

参考【ペットの貨物輸送】

今回は、受託手荷物(checked baggage)として預けることが出来ましたが、コロナ禍は受託手荷物としての預かりが不可(出発ターミナル内へのペットの持ち込みができない)となってたそうです。また、スリランカ航空も成田-コロンボ路線は可能ですが、受託手荷物としての輸送が不可の路線もあるとのことです。

受託手荷物として預けられない場合や、ペットのみを輸送する場合は、貨物としての輸送になります。貨物としての輸送の場合は、取り扱いは貨物部Cargoとなり、貨物運賃や一時保管施設利用料など、通常の受託てにもつとは異なる上、引き渡し場所も一般の空港ターミナルとは異なるなど、手配や手続きが複雑なため業者に委託する方が良いとのことです。

規定がまた変わり、万が一受託手荷物での預かりは出来ないといわれたときのために、スリランカで貨物での動物の輸送手配を行なう業者を検索したところ、日本人が経営している🔗Suketto LKがありました。利用することはありませんでしたが、日本語対応も可能とのことで貨物輸送の際には利用しやすそうです。

【日本への事前届け出】

日本到着40日前までに、到着予定空港管轄の動物検疫所に届出が必要です。

届け出は、🔗NACCS(動物検疫関連業務)を通じて電子申請しました。NACCSを通じて申請すると、日本到着後の検疫時に「輸入検査申請」ならびに「狂犬病予防法に基づく動物の輸入に関する届出書」が電子申請となり、書面での提出は不要となります。

審査後に届出受理及び申請完了の通知がメールで届きます。また、届出受理書(下記写真)などの書類は、受理後にダウンロード可能なります。これらの書類は輸出国(スリランカ)での輸出前検疫の際や帰国時の携行書類として印刷が必要です。

【 輸出国の証明書の取得】

出国直前(出国前10日以内)に、民間獣医師ならびに輸出国政府機関の獣医師による輸出前検査(臨床検査)を受け、輸出国の証明書の取得が必要となります。

証明書の取得は政府検疫所となります。スリランカの動物検疫所(Government Quarantine Station for Animals)コロンボ(No.42, Mogan Rd,Colombo 02)と空港のあるカトナヤケなど複数箇所にあります。

【Department of Animal Production and Health (DAPH)- Animal Quarantine Officeへの問い合わせ】

日本の動物検疫所の条件には出国直前(出国前10日以内)とありますが、スリランカの政府検疫所への訪問並びに証明書の発行は搭乗日の7日以内(証明書の効力が、発行日から7日のため)と言われました。ただし、事前にアポイントが必要で、訪問する動物検疫所(私の場合コロンボの動物検疫所caqocolombo@gmail.com)にメールにてアポイントを取りました。
メールには、フライト情報動物情報のほかに、メール送付時点で提出可能な書類を添付しました。動物検疫所からの返信には、他に必要な書類や添付書類の指示とともに、指定訪問日時が記載されていました。
    
搭乗日の7日以内に検疫所の訪問をしなければなりませんが、政府機関なので土日祝日は休み(カトナヤケの検疫所は例外のようです)のため連休などに注意が必要になります。土日祝日以外にもストライキなどで業務がストップすることなどもあります。通常でもメールの返信は遅いことを念頭に置いて、最初のメールでの問い合わせ(訪問予約)はできる限り早めにすることを推奨します
私の場合、搭乗日7日以内の最初の2日間が土日で、さらに当初の検疫予定日は政府職員のストライキがありコロンボの検疫所はクローズとなったため、結局は出国の2日前の訪問となりました(書類の不備などでやり直しを指摘されたら搭乗日に間に合わない可能性もありヒヤヒヤ)。

【スリランカ政府の動物検疫所訪問の際の必要な書類(事前にメールにも添付ならびに当日持参)】
❶. vaccination book original & copy- all the pages:ワクチンなど動物の診察記録のコピーと原本(動物病院発行の診察券代わりの記録手帳の全頁)。
❷. Copy of your passport:申請者のパスポート原本とコピー
❸. Health Certificate from the government veterinary doctor (if you come without the pet) :政府機関所属の獣医師(動物検疫所獣医師)による健康証明書遠方に住んでいる場合などで、動物を連れていけない場合のみ。検疫所に連れて行く場合は不要。
❹. copy & original of Rabies titer report:狂犬病抗体価検査の結果/証明書の原本とコピー
❺. Import permit (Japan) :到着予定空港管轄の動物検疫所が発行した輸入に関する届出受理書
❻. application form(Department of Animal Production and Health Animal Quarantine and Inspection Service):政府検疫所にメールにてアポイントを取った際に送られてきた申請書
❼. Liability letter that you will take full responsibility regarding fulfillment of exporting country requirements.:「動物検疫所に輸出国要件についての責任を負わせない」という趣旨をかいた誓約書。指定のフォームはないため自分で作成するように言われる。
❽. Certificate for dogs, cats, foxes, raccoons, or skunks to be imported into Japan from NON-DESIGNATED REGION (Form AC※):指定外地域から日本への輸入証明書(推奨様式Form AC)。
民間獣医師が必要事項を記載し、輸出国政府機関(政府動物検疫所の獣医師)の裏書き証明を取得します。
政府動物検疫所の訪問前に動物病院でマイクロチップの読み取りと、狂犬病の兆候がないことを確認ならびに書名をしてもらっておく(Form ACの[Clinical Inspection by Veterinarian]の欄)
NACCSで電子申請すると、受理後に必要事項が記入された状態のForm ACがダウンロード可能になります。しかし、荷送人(Consignor)と荷受人(Consignee)が同一人物の場合、Same Applicantとして自動的に同じ情報(名前、住所、電話番号)の記載になります。
ところが、スリランカの動物検疫所で「荷送人と荷受人の住所が同じ(スリランカの住所が日本の荷受人の住所として記載されているのはおかしい」と訂正を求められたため、手書きで修正しました。なお、成田検疫所には事前にメールにてその旨を報告しておきました。
上記1~8までの必要な提出書類が、スリランカの政府動物検疫所にて全て受理されると、下記の検疫証明書(International Zoo Sanitary Certificate for Dogs and Cats)が発行されました。ちなみに、ニコも検疫所に連れて行きましたが(連れていけない場合は、政府所属獣医師の健康証明書が必要)、ケージ越しに顔を確認されたのみで、ケージから出すことはありませんでした。

【 搭乗当日】

搭乗予定の前々日にスリランカ航空に連絡をして、動物連れの搭乗予定であること。使用機体に変更はないかを確認。幸い変更はなく予定通りニコを受託手荷物として預けられることに。

家を出る時、ニコの入ったケージは目隠しかつ風通しが良いように風呂敷でくるみました。
ケージ内はペットシーツを両面テープで底にしっかりと貼り付け、その上にマットを敷いて中でニコがスリップしたり、マットが偏らないようにしました。
また、空港チェックイン前や到着後にすぐにトイレが出来るように、プラスチックのコンテナと朝まで使っていたトイレの砂を袋に入れて手荷物として持ちました。(余談:現在は旅行や災害避難時用の🔗猫用携帯トイレ↓も販売されているので、それがあればよかった)。
パスポートEチケットと合わせて関連書類一式をいつでも提示できるように準備して、空港に向かいました。
ニコ(猫)に関する書類は、チェックインカウンターに向かう前のX線検査で最初に提示を求められました。スタッフは書類とケージの中を確認して、猫の入ったケージはX線は通さずスタッフにより持ち運ばれて、次に私がX線検査を終えると、別のスタッフが来るまでそのまま待機するように言われました。しばらくすると検査場のチーフらしき人が現れ、再度書類の確認をしてから、航空会社のチェックインカウンターに進むのを許可されました。

次に、スリランカ航空のカウンターにチェックイン。まずはスーツケースなどニコの入ったケージ以外の受託手荷物を預けた後は、改めてニコに関する全ての書類の確認
書類はカウンターのグランドスタッフが確認後、マネージャーが確認するとのことで、先にニコの分の超過手荷物の料金を支払うように伝票を渡されました。
ニコを入れたケージを持ったままで少し離れた支払い窓口で支払い(その時は1kgにつきUSD31=LKR48,050)、レシートを再びチェックインカウンターに提出。
グランドスタッフのマネージャーが再度書類の確認をして、チェックイン手続きが終わり、やっと搭乗券が発券されました。
ニコの入ったケージは、「生き物」のステッカーが貼られ、スーツケースなどを乗せるベルトコンベアではなく、台車を押したスタッフがカウンターに取りに来てくれて、台車に載せられて連れていかれました。
本当は、事前にオンラインチェックインも済ませたし、なるべく搭乗直前まで少しでも長くニコといられるように遅めにチェックインしようと思いましたが、何かあった時の場合に早め(3時間前)にチェックインしました。
実際に書類の確認や超過分の支払いなど、自分の番になってから1時間以上かかったため、やはり早めのチェックインを強くお勧めします。
なお、グランドスタッフいわく、早めにチェックインしたからといって早々に貨物室に積むわけではなく、動物はなるべく直前まで空調の整った保管室で待機させるとのこと。

【成田空港到着後】

成田到着後は、どこで待ってていいかわからずグランドスタッフに聞いてみると、荷物受け取りのエリアにいてくださいと言われたため、スーツケースの受け取り場所で待機。

しばらくするとニコの入ったケージを持ったグランドスタッフが出てきました。すぐさま駆け寄り名前を呼ぶと、小さく「ニャー」と返事。持っていたチュールをあげるとぺろぺろ。まずはほっと一息。

スーツケースも受け取り、そのまま動物検疫のコーナーへ。そこで再度書類を提出。マイクロチップの読み取りが完了すると、しばらくして検疫証明書が渡され終了。動物検疫所での所要時間30分足らずで拍子抜け。

以上が、海外(スリランカ)から猫を連れて帰国した際の一連の記録です。猫を連れて海外から帰国しようとしている方の参考になれば幸いです。

ただ、コロナの時のPCR検査のように、その時々でルールや必要書類などは変わる可能性がありますので、最新の手続き手順や情報を必ず確認してください

【後日談】

ちなみに到着日は、検疫にどれくらい時間がかかるのかわからなかったので、ペット可であった🔗タカノプライベートレンタルハウスを利用しました。

ニコ、日本で過ごす初めての夜
ウェットフードも食べ、猫砂がなじみの匂いだったのか、持ち帰ったトイレですぐにおしっこも完了。ただ、水が合わなかったのか帰国後1週間近く水を飲みませんでした(ウェットフードは食べたので水分補給はできていた)。
水道水、浄水器を通した水、購入した水(🔗南アルプスの天然水)など色々試すも、匂いを嗅ぐだけ。軟水がいやなのかと(スリランカは硬水)と🔗エビアンを購入して試すも口をつけず。しばらくは水を入れた器を部屋のあちこちに置いていました。
最初に口をつけたのは🔗ピュアクリスタルにいれた浄水器の水。動く水が興味を引いたようです。現在も🔗ピュアクリスタルの他にも1か所に器で水を置いていますが、この水飲み器からの水をよく飲むので猫飼いの方にお勧めです。
猫とスリランカ好きにはたまらない⁉

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  2025年のスリランカの祝祭日 が7/31付けの官報( Public and Bank Holidays for the year 2025 )で発表されました。 2025年は、 1月と5月に土日と合わせて 4 連休 、 4月と8月と10月は土日と合わせて 3 連休 があります (おそらく4月も3連休から4連休に変更になりそうです)。 スリランカの祝日は 仏教、ヒンズー教、イスラム教、キリスト教、4つの宗教が関連 しています。 さらに スリランカは毎月満月の日が祝日 となります。これは ポヤデー(Poya Day) と呼ばれる仏教由来の祝日で、月に一度満月の日は経済活動(仕事)や飲酒や肉食を絶ち、寺院に参拝し敬虔の念を深める目的があります。 下記の祝日には3つのマークを付けました。 いくつかの祝日は、民間企業では休日ではありません 。 ほぼ全部 Public Holiday と Bank Holiday に該当 しますが、 Mercantile Holiday(商業の休日)はマークがついている祝日のみ (お店のオーナーまたは経営者の宗教によっても休みが異なります)。 ◆ Public Holiday:一般の祝日(公的機関や学校などが休み) ◆ Bank Holiday:銀行の休日 ● Mercantile Holiday:民間企業/商業の祝日(国全体の休日/国民の休日) 1月  📝 1/11-14は4連休‼ ※ スリランカの正月(正式には 「シンハラ・タミルの正月」)は4月 で、 1/1は祝日ではありません が、 仕事始め の意味があるので、会社などでは各家庭から持ち寄ったお祝い菓子やミルクライスで新年を祝います。 13日(月) : ドゥルトゥ ポヤデー(満月日) ◆ ◆ ● ※ スリランカ各地で行われるペラヘラで、ある程度規模の大きなものが、 コロンボ郊外ケラニヤで2日間に渡り行われる「ドゥルトゥペラヘラ」 。毎年1月のドゥルトゥ月の満月日の前夜を最終夜に3日間にわたり開催されます(寺院周辺も練り歩くペラヘラは 第三夜のみ )。 2025年は1/10,11,12 で開催されると思われます(※公式発表ではありません)。 14日(火) : タイポンガル(タミル豊穣祭) ◆ ◆ ● 2月 4日(火) :独立記念日 ◆ ◆ ● ※ 毎年、 コロンボ(Colo...

サリー(オサリヤ)の魅力と、着るときのポイント(注意点)

2022年9月追記) スリランカでは男性が着用するサラマ(サロン)の女性におすすめの着方について記事にしました→ 『 女性にもおすすめスリランカのサラマ (サロンSarong) 』 (←タイトルをクリックすると該当記事にリンクします) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー サリー(Saree/Sari) は、スリランカを含むインド、ネパール、バングラデシュなど南アジアで着用されている女性の民族衣装の一つです。 共布で作ったブラウスに 5メートル以上の長い布を巻き付けて着用します 。布の 巻き付け方によって様々な着こなし をすることができるほか、どんな体型でも着ることができます。 サリーの素材は コットン(綿) や 化繊 、 シルクな どが多く、光沢のあるものや図柄やパターンが印刷されたもの、染色されたもの、手織りのものなど サリーの種類は 千差万別 です。 📝 サリーを購入するなら⇒ 『 Amazon/サリー一覧 』 スリランカでは大きく分けて2種類の着方 がされています 。 下の写真が多くの方がイメージするインド式のサリーの着方かと思います。 サリーを着用する国の大半はこの着方がベースになっているかと思います。 こちらは上のサリーをアレンジしたもの。タックを止めずに着流したものです。パーティ―など宴席で多く見られる着方です。 下の写真 は上下2部に分けるように腰回りに襞を作っています。 これはスリランカならではの着方 です 。 スリランカでは、多くの国で着られる左二つのインド式の着方は 「 サリー または インディアンサリー 」 と呼ばれています。一番右のスリランカ独自の着方は 「 オサリヤ または キャンディアンサリー 」 と呼ばれています。 下記の布の場合、端にある 大きな絵柄がインド式サリーとして着た場合は後ろ(横)に垂らすタレ に来るように着つけます。 オサリヤ(キャンディアン)として着た場合は正面などスカート部分に大きな絵柄 が来るように着つけます。 どの着方でも、共布で作った ブラウス(へッタ) をきて、サリー用の アンダースカート に 1枚の布 を巻き付けて着ています(↓)。アンダースカートは通常サリーの色に合わせて同系色を選びます(通常青色のサリーの場合は、青色のアンダースカート)。 通常サリーを購入した場合、サリーの 端1メ...

観光地でのUber(Pick Me)の利用の注意とコツ

スリランカは個人で旅をするのにも、治安も含めてとても旅がしやすい国だと思います。 スリランカをバスや列車など公共交通で旅行される方も多いことでしょう。 バスや列車の乗り場までや、乗り場からホテルや観光地までを トゥクトゥク(スリーウィーラー/自動三輪車) で移動する方も多いかと思います。 地方 などメーターがない トゥクトゥク を利用する場合は、まず料金交渉が必要です。 金額に納得して乗っても、降車時に全く異なる金額を言われることもあります。 また、宝石店など希望していない場所に連れていかれることもあります。 コロンボ(Colombo) では 「近くのお寺でお祭りがある、コロンボ観光案内しますよ」 など言葉巧みに声をかけて降車時に法外な金額を要求されるケースを多く耳にします。 海外からの旅行者にとって一番トラブルが多いのがトゥクトゥク といっても過言ではありません。 そんな、旅行者にとって利用しやすいのは Uber や Pick Me などの 配車アプリ 。 Pick Me の登録にはスリランカ(+94)の電話番号が必要 です。 Uber はスリランカ国外の電話番号でも登録可能 です。 簡単に配車が出来て配車時に推定金額が表示される上、ドライバーの名前や車両番号なども記載があるため、安心感があります。 コロンボやキャンディ、クルネーガラ、ゴールなど中規模以上の都市を中心に利用可能範囲や利用可能場所も広がっていて、とても使いやすいツールとなっています。 2025年追記) 現在、空港で配車をかける場合は、乗車料金の他に 空港使用料としてLKR700が追加徴収 されます。また、高速道を使用した場合は別途高速料金の支払いも必要です。 しかし、 ゴール や ニゴンボ 、 ベントタ(アルトゥガマ)、ヒッカドゥワ など、外国人観光客が多く訪れる観光地で利用するときは注意が必要です。 顕著なのが ゴール(Galle) 。 アプリで近くにトゥクトゥクがあるかどうか探すときに、時間帯や町の規模からいって駅前やバスターミナル付近に多くあってもよさそうなのに、地図画面にはほとんどトゥクトゥクが表示されないことがあります。 表示されていても、交通の中心地から離れていて、乗車地に来るまでに10分以上かかる場合もあります。 配車をかけてみても、乗車地が駅前だったりする場合、配車ドライバーが誰も応...