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コロンボは外出禁止令生活16日目を迎えました。
3月24日の8時間だけの一時解除前を合わせると20日目となります(3/20から外出禁止令発令)。
他国の外出禁止令を見てみても「1日1時間の散歩はOK」「スーパーマーケットなど必要不可欠の買い物はOK」など外出可能条件があるところがあるところも多いようです。
日本もあくまで移動自粛要請にとどまっています。
しかし、スリランカの場合『許可のないもの以外は終日外出禁止』という強固なものです。それを破ると逮捕されます(3/20からの逮捕者数延べ17,000人超え)。
その間の食べものはどうするの?病院は?持病の薬は?お金は?
その不安が3月24日の一時解除の時に顕著に現れました。
スーパー、薬局、銀行には長蛇の列。
一時解除前の政府からの通達であった「マスクを着用し、列は人と人の間を空ける」という条件は割と守られていたように感じますが、それでも人が多く集まり何時間も並んでいるようでは感染リスクが高まります。
政府もこの一時解除がかえって感染リスクを拡大させると危惧したのか、コロンボなど感染者の多いハイリスク地域は3/24以降、外出禁止令の一時解除を出していません。
外出禁止にあたって、最初に政府はガスや食料のデリバリーを開始すると宣言し、実際既存の配車会社(Pick Me)を通じてガスならびに国営のスーパーがデリバリーを開始しました。
また薬局に関しては通常通りオープンし、処方箋や診察券などを持っている人は薬局に行けるようにしました(...が、偽造処方箋や薬局に不必要な人の出歩きが顕著のため、こちらも後に国営薬局以外は閉店とし、すぐさま薬のデリバリーシステムを整えました)。
「デリバリーシステムが果たしてスムーズにいくものなのだろうか」「インターネットツールがない人はどうするのか」「アプリなどの操作に慣れていない人はどうするのか」
正直半信半疑でした。
しかし、私個人の感想でしかありませんが割とうまく事が進んでいるような気がします。
その秘訣は‛ソーシャルメディア’と‛ご近所づきあい’そして、’ビジネスチャンスへの参入’にあるような気がします。
まずはデリバリー。
スリランカはUberとPick Meの2つの配車アプリが主に使われています。このどちらも配車以外に、登録の飲食店でフードデリバリーサービスも行っています。
しかし、通常デリバリー登録している飲食店も外出禁止令とともに休業ならびにデリバリーサービスもストップしていました。
外出禁止令発令後、Pick Meで最初にガスと国営スーパーのデリバリーが開始されました。そののち、少しづつデリバリーを再開ならびに新たに開始する店が増えてきました。
Pick MeやUberなどに加盟していないところはFacebookやInstagram等を通じてデリバリーのお知らせをするところが増えました。
レストランやコーヒーショップのみならず、5つ星ホテルもホームデリバリーに参入 |
地域ごとのデリバリーのまとめサイトなども作られています。 |
外出禁止令がこんなに長引くと思わず、手持ちのお金が心もとない人もいる。
そんな声にこたえて、なんとATMの移動車まで出動しています。
現金を積んだATM車。このような非常事態でもこのような移動車が出せるのはある意味スリランカの治安の良さを証明している気がします。
各銀行のATM移動車のお知らせ。地域別に訪問日時を知らせています。 |
普段ソーシャルメディアを使わない方たちも、普段の近所付き合いを生かして配達してくれるところを探したり、情報を共有しています。
集合住宅地や路地に移動販売車や手押し車が野菜やパンなどの販売に訪れるようになりました。
その際も、誰かが移動販売の情報を得ると、ご近所にも知らせるなど皆が情報を共有しあっています。
今回の件を受けて、食品などのデリバリーに参入した企業や個人単位の店も多くあります。さらにはそれらの新規参入者向けに、広告制作代行会社や広告代行など参入者向けのビジネス広告もみかけるようになりました。
例えば、Lassana Flora。こちらは名前の通り主に生花店で、結婚式やイベント用に生花の小売りや卸売りをしている会社です。こちらはもともとフラワー&ギフトの配達を行っていたので、デリバリーノウハウが整っていたといえます。
もう一つはYOHO Bed。こちらはスリランカのバジェットホテルチェーンです。元あるバジェットホテル等をブランド化して統一し、低価格で高クオリティをモットーにチェーン展開ならびに急成長をしている会社ですが、こちらはデリバリーは初参入となります。
ホテルチェーンとフラワーチェーンが野菜や日用品のデリバリーに参入 |
このように業態を変更もしくは拡大したり、デリバリーに参入したりと、この機会に新たなビジネス転換を図る会社も多くなってきています。
観光が主要産業国ながら入国停止やビザの発給停止により外国人観光客の渡航がなくなり、外出禁止令により県をまたいでの移動も禁じられている中、現在観光業は完全に停滞しています。
スリランカの労働人口の約56%がサービス業についているといわれます。日本も同じですが、在宅勤務に移行できる業種は限られています。
さらに製造業、建設業においても現在中断を余儀なくされています。
外出禁止令による工場の生産ラインストップにより、主要輸出品目である衣料などの生産輸出もストップしている今、スリランカ経済は昨年4月の同時爆破テロ以上の大打撃を受けています。
この長引く状況に、日々の労働収入で生計を立てていた人だけでなく経営者ならびに従業者においても厳しい状況に陥っています。
しかし、日常生活においては不自由で不便ながらも、近所間でのネットワークや見知らぬ人同士をつなぐソーシャルネットワークが強固なものになってくのを感じます。
またこれを機にスリランカのネットビジネスやはより加速してくものと思われます。
<路上に取り残された者たち>
スリランカには多くの野良犬、野良猫が多くいます。
彼らはレストランや一般家庭での残ったご飯をもらっています。
レストランが軒並み店を閉め、各家庭もドアを閉ざした今、彼らが食料を探すのは困難であると容易に推測できます。
彼らを救うため、個人ならびに団体が給餌活動をしています。
警察に外出許可証を申請し、いくつかの地域を回っています。
外に出て活動ができない人は、食料や資金面でのドネーションをすることが可能です。
また、雨が少なく暑い日が続くスリランカ。
外の生き物たちが必要な時に水を飲めるように「容器やバケツに新鮮な水を入れて道路において下さい」というメッセージも多くシェアされています。
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