スリランカのお正月(2020年)













































































昨日(4/8)、2020年のスリランカ新正月(正確にはシンハラ並びにタミルの新年)ネカタ(Auspicious Time)が発表されました。本来はタミルでもヒンズー教タミル

現在スリランカは外出禁止令発令中。これは正月明けまで続くといわれています。

本来正月は、あいさつ回りで親戚が集まったりと人が集う時期でもありますが、新型コロナウイルス感染拡大防止策をとっている今、政府は各家庭、家族単位で新年を祝うようにと要請しています。

4月が正月?と不思議に思った方もいるかと思います。

このシンハラ・タミルの新年は太陽の黄道12宮の動きを基準としたヒンズー暦に基づくものです。このヒンズー暦に従って、太陽が双魚宮から白羊宮に入る日が新年となるため、毎年4月13日か14日とその年によって日にちが若干異なります。

新年の時刻やそれぞれに適した時間(ネカタ:Auspicious Time)、方角や色はホロスコープ(占星術)によって決められます。

今年の主な時間は下記のとおりです。簡単な説明とともにご紹介します。
なお下で紹介するのはシンハラ正月ですので、タミル式の場合異なる部分がございます。

●新年:4月13日 午後8時23分
新年の始まりとなります。多くの家庭でこの時間に爆竹が鳴らされ新年を祝います。
通常4月の頭には、路上で爆竹などを売る店が並びますが、外出禁止令が発令中の今販売することもできないため、今年は鳴り響く音が少ない かもしれません。

●かまど(台所)の使い初め:4月13日 午後10時05分
かまどに火をつける時間です。
一番初めに新品の素焼きの器にココナツミルクを入れて沸騰させます。噴きこぼれ方でその年の運勢を見ます
ミルクの沸騰(ミルクがあふれ出る)様子は豊穣を表しているといわれているため、勢いよくきれいに噴きこぼれると幸先が良いとされます。
このココナツミルクを使って、新年最初に作る料理はキリバット(ご飯をココナツミルクで炊いたもの)です。
今年は白色の衣装で東の方角を見ながら点火するとよされています。

●新年の儀式:4月13日 午後10時43分 
新年の最初の食事となります。
たいてい母親(もしくは家長)が皆にキリバットを食べさせる(結婚式のケーキバイトをご想像ください)ところから始まり、ブラッドの葉にお金を包んだものを渡しあいます。
このブラッドは日本ではキンマと呼ばれるつる性の植物で、ハート形の光沢のある葉が特徴です。豊かさや繁栄の象徴とされており、スリランカでは慶事に欠かせないものです(この葉にプワックの実を混ぜ合わせて噛みタバコとしても用いられています)。

次に、目上の方(母親や父親)にぬかずいて挨拶をしたり、家族同士で新年の挨拶をしあいます。

その次は、それぞれの本業に関連のある動作をします。例えば学生ならば教科書を開いたり、仕事をしている人は仕事関連のものを動かす(パソコンやミシン掛け)などをして、仕事や学業が順調に行く事を祈願します。

○プンニャカーラヤ:4月13日 午後1時59分~4月14日午前2時47分
聞きなれない言葉だと思いますが、プンニャカーラヤは旧年が終わり、新年が始まるまでの一時的な空白期間のことを指します。

この時間の間に何かを生産する行為(仕事=利益を生産、料理=食を生産など)するのはよくないといわれています。

この時間帯の前までに仕事や料理を済ませかまどの火を消さなければなりません(新年に食べるご飯などはこの時間前までに作らなければなりません)。
そして、 この時間帯は静かに家で過ごしたり、寺院に出向いたりして過ごします。

他にも健康を願い頭にオイルを塗る儀式(4月15日午前9時17分)仕事始め(4月17日午前7時56分)などがありますが、ここまでやる家庭は少なくなっています。
今年新たに苗木を植える(4月19日,午前11時38分)が新年の儀式として加わりました。
誤)Moon  正)Mung
本来であれば、正月前のこの時期は爆竹や鍋などを売る臨時の露店が並び、町も新年用の服や食料の買い出しで賑わう時期でもあります。残念ながら今年は新型コロナウイルス感染症のために、それらの光景を目にすることはできそうもありません。

<新年(ほか慶事)のお菓子の簡単紹介>
アースミ:米粉にココナツミルクとオクラのしぼり汁を混ぜ液状にしたものを、5本の指を使って放射線状に揚げ、暖かいうちに二つに折り半円状にしたものにアイシングしたもの。このお菓子に関しては、家で作らず購入する人が多いです。

コキス:コキス型(仏教の法輪や蝶などが代表的な型)を米粉に卵を加えてココナツミルクで溶いた生地に浸し、そのまま熱した油に浸して揚げたもの。

コンデキャウン:米粉、小麦粉、キトルヤシの蜜、挽いたカルダモンを加えて作った生地を熱した油の中央に少しづつ注ぎ込みボール状の形にしていきます(最近は型もあり)。

熱されて中央が盛り上がった様子が髪の毛をお団子状にしたものに見えることからコンデ(シンハラ語で髪)キャウンといいます。

ムーンキャウン:米粉とムング豆(緑豆)粉、挽いたカルダモンに砂糖と水を加えて煮てつくった餡を紡錘形に形を整え、小麦粉と米粉を混ぜてターメリックで色を付けた生地に浸けて揚げたもの。

ドドル:米粉とキトル蜜糖(粉状にしたもの)、ココナツミルクを混ぜたものを鍋にかけ煮詰めたものを型に流し固めたもの

≪グリーティングカードでみる新年の様子≫
右上から時計回りに。1.キリバットを切り分け、テーブルセッティング。2.目上の人にぬかずき、新年のあいさつ。3.集まった親戚などで、ボードゲームで遊ぶ。4.ココナツミルクの噴きこぼしで、1年の豊穣を願う。5.供花をもって寺院に参拝

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