振り出しに戻ったスリランカ(2020年)















































































 
外出禁止令が続くスリランカ。

一部地域は日中解除になっているものの、コロンボなどハイリスク地域に指定された地域は4/24に8時間の一時解除があっただけで、それ以降は一度も外出禁止令が解除になっていません。

この外出禁止令、以前の投稿にも書いたとおり『許可のないものは終日外出禁止』という強固なものです(残念ながら違反者も多く、外出禁止令が始まった3/20から4/27までの間に、外出禁止令違反による逮捕者は4万人以上、押収された車は1万台以上となっています)。

それがようやく夜間のみの外出禁止令に緩和されると前回(4/19)の投稿で書きました(投稿記事『外出禁止令緩和へ』)。

当初コロンボなどのハイリスク地域は4/22からでした。それが4/27に延期になり、5/4に再延期になりました。なんと終日外出禁止が41日間も続くのです。
※追記;5/11までとさらに延期が発表されました。

その間、買い物でも外出は許されていません(買い物はデリバリーや、外出許可書を得た八百屋などが住宅地に売りに来ています)。

当然、会社やお店に勤めている人は会社や店に行けず、会社や店自体も休業しています。自営業の人も店を開けることができません(薬局や病院、水道ガスなどライフラインに直結する業種は営業しています)。
テレワーク(在宅勤務)が推奨されていますが、テレワークできる業種は限られているのも事実です。

スリランカ最大の商業都市コロンボは41日間も経済がストップすることになります。
これはスリランカ経済に大打撃です。

政府もこの事態を踏まえて、感染症拡大を抑えつつ経済を動かす目的で、日中の外出禁止令解除を打ち出し、本来は4/22から実施するはずでした。

ところが、上記に書いた通り4/22から4/27に延期、さらには5/4に再延期となりました。※追記;5/11までとさらに延期が発表されました。

最初に4/22から4/27に延期になった理由は、ある居住地区で集団感染が発生したことにも一因があるように思います

スリランカ政府は全世界からの入国を停止する前に、海外からの入国時に2週間の強制隔離検疫を義務づけていました
スリランカ国籍も含む海外からの渡航者は空港からそのまま検疫施設に送られ、検疫プログラムを受ける流れになっていました。

ところがその強制隔離検疫プログラムが開始される前(3/12)にインドから帰国した家族の一人が感染症の症状が出ていたにも関わらず、約1か月内緒でいたことが発覚しました。その人は症状が重くなったのか、4/15に家族からの感染症センターへの通報によって発覚しました。

検査の結果陽性が判明し、家族や近隣住民が検疫施設に送られ、居住地区249世帯が封鎖されました。家族や近隣住民含め約80人以上が陽性であることがわかりました。
現在、封鎖地区内の約1000名が隔離検疫施設に送られ、検査と検疫が行われています。

封鎖地区は除染が行われ、封鎖地区内の住民全員が隔離検疫施設に送られたことで、4/27に日中の外出禁止令解除に緩和されると発表されました。

ところが、これも4/27から5/4に再延期になってしまいました(※追記;5/11までとさらに延期が発表されました)。今度の理由は、海軍キャンプで集団感染が発生したことに一因があると思われます

スリランカは陸/海/空の軍隊を有しています。

今回の新型コロナウイルス感染症においても、隔離検疫施設への移送の際の警備や施設、封鎖地区の警備、除染作業など多岐にわたり最前線で活躍しています。

ところがその海軍の中から陽性者が見つかり、その隊員が所属しているキャンプ内で検査を実施したところ集団感染が判明しました。

そしてキャンプ内の隊員の中には、任務期間を終え休暇をもらい実家などに帰省していた隊員もおり、帰省中の隊員からも陽性者が出る事態になりました。

昨日4/27の発表の段階で、180人の隊員が陽性であり、そのうち122人はキャンプ内にいる隊員で、残りの68人が休暇で帰省中の隊員であると発表されました。

現在、帰省中であった隊員の家族や濃厚接触者と思われる人が隔離検疫施設に送られ検査を受けているため、今後も海軍関連の陽性者は増える可能性があります。

(追記;4/29時点での発表では海軍隊員の陽性者は226人で、147人がキャンプ内から、79人が休暇で帰省中だった隊員とのこと。5/1時点での発表では海軍隊員の陽性者は250人累計感染者数690人の36%を占めています。)

※軍での集団感染発覚を受けて、陸海空軍のなかで休暇中であった隊員全員が4/27に各所属キャンプ地に戻されています。

感染者が100名に到達するまでの日数(下記参照)を見ると感染者の増加の度合いがわかります。
といっても集団感染が発覚して、検査対象者が増えたため比例して感染発覚者も増えているため、一概に感染者が急増とは言えませんが、反対に検査をすれば陽性発覚者が多く見つかる可能性を示唆しています。

(参考)
最初の100名に到達するまで;57日(100名到達日3/24)
次の100名(累計200名)に到達するまで;19日(200名到達日4/13)
次の100名(累計300名)に到達するまで;9日(300名到達日4/20)※1
次の100名(累計400名)に到達するまで;4日間(400名到達日4/24)※2
次の100名(累計500名)に到達するまで;2日間(500名到達日4/26)
(4/27までの累計感染者数は584名)
※1; 上記記載の、ある地区での集団感染の最初の感染発覚が4/16
※2; 上記記載の、海軍での集団感染の最初の感染発覚が4/22

追記
次の100名(累計600名)に到達するまで;2日間(600名到達日4/28)


コロンボなどハイリスク地域の住民は厳しい外出禁止令の下、感染の終息を目指して1か月以上にわたり仕事も再開できず、外出することもできず必死で耐えています。
それだけにこの海軍の集団感染のニュースは大きな衝撃を与えました。

医療従事者と同じくらい、軍や警察は感染のリスクにさらされています。
任務についているときの感染対策、集団生活をおくるキャンプ地に戻ってからの感染対策はどのようなものだったのか。そして休暇で帰省を許す前に検査体制がなかったのか。

特に帰省中で陽性が判明した隊員の中には、今まで感染者が報告されていない地域に帰省していた者もいます。もし隊員が感染を拡大させていたとなると大失態以外の何ものでもありません。(4/29追記;休暇で帰省中だった隊員で、陽性が見つかったある隊員の家族5人から陽性反応が出たとの報道。恐れていた事態が起きています)

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本日より、ハイリスク地域以外は日中(5~20時)は外出禁止令が解除となり、勤務に携わる人数や開始時間などいくつかのガイドラインの下、仕事の再開も許可されています。

出勤以外の人は、身分証明書番号の末尾で外出許可日が曜日で振り分けられているほか、外出も病院や買い出しなど徒歩圏内のみで、必要最低限にとどめるなど制限があります。

スリランカ最大の商業都市コロンボも上記のガイドラインの下、5/4に日中の外出禁止令が解除(5~20時)となります。

一人の感染がいかに多くの感染者を生むか。
新型コロナウイルス感染症の恐ろしさを自覚したうえで、一人一人が責任ある行動をしていくことが、各国において感染を終息させる道筋となることでしょう。
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