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アーユルヴェーダは4~5千年前のインドが始まりといわれていますが、スリランカのアーユルヴェーダは仏教の伝来とともにインドから広まったアーユルヴェーダと、スリランカ古来からある伝統医療が融合し独自のアーユルヴェーダとして広まったといわれています。スリランカの人々にとってアーユルヴェーダはとても身近なものであり、専門の薬局は勿論、スーパーにも多くのアーユルヴェーダ製品が取り扱われています。
以前ブログで、スーパーで買える、お土産に最適な代表的な製品をいくつかご紹介しました→『お土産におススメ アーユルヴェーダ製品(2018年3月2日投稿記事)』(←タイトルうをクリックすると該当記事にリンクします)
サマハンなどは現在日本でも販売されていますし、多くのスリランカの製品が日本でも販売されています。
一方で、個人輸入やスリランカ在住の方などでSNS等で商品販売する方も多いようで、業者を通さず個人間のやりとりで、気軽にスリランカの製品、食材やスパイスなどが直送で手に入るようになりました。
アーユルヴェーダ製品、ハーブ、スパイスと聞くと【天然・自然】と安全なイメージがありますが、個人で直送してもらう時は注意が必要な場合もあります。
なぜならスリランカの食品基準や薬事基準は日本とは異なり、日本で定められた基準値を上回るものや、日本では認められていない成分が含まれていることがあるからです。また不純物などが混入している場合もあります。
本来、食品や医薬部外品(石鹸や歯磨き粉など)などを日本で正規で輸入し販売する場合、食品衛生法や、その成分が医薬品に該当する場合は薬事法などの規制があり、安全性が確認されたうえで輸入ならびに販売されていたり、定められた注意書き(妊婦や子供など避けるべき人など)など表示規制に基づいて日本で販売されています。
例えば、以前のブログ(上記で紹介のの「お土産におススメ アーユルヴェーダ製品」)でもアーユルヴェーダの歯磨き粉を紹介しました。
その一つが「フッ素入りアーユルヴェーダ歯磨き粉」。その紹介時にも注意書きを書きましたが、850-1150ppmのフッ素が配合されています。しかし、日本での歯磨剤のフッ化物濃度の配合上限は1000ppm(フッ素として)と定められています。
2017年3月に国際基準(ISO)と同じくフッ素が1500ppmを上限として配合された製品が厚生労働大臣により承認されましたが、6歳未満の使用は控えるように通達されています。
スリランカで販売されているこの製品にも6歳以下の子供の使用について注意書きがありますが、文字が小さくきちんとパッケージを読まなければ見落としてしまいます。
またスーパーフードとして、日本でも注目されている「モリンガ」。
加工品を含むモリンガの摂取に際しては、モリンガの葉の抽出物を妊娠ラットに対し高用量を経口投与したところ流産がみられたとの文献報告が出ているため、厚生労働省は妊娠している方又は可能性のある方に対しての注意喚起をしています。
スリランカではスパイスとして販売され、シーフードのカレーなどによく使われる「ゴラカ(ガルシニア)」。
ガルシニアについては、ガルシニア抽出物のラットに対する1年間の長期毒性試験を実施した結果ラットの精巣に影響が認められたとする報告がなされたため、継続的や過剰摂取を控える旨の注意喚起文を、表示や説明書を利用する消費者に見やすく且つわかりやすく行うよう厚生労働省からの喚起がなされています。なお、ガルシニアを短期間(12週間以内)摂取する場合は、ほとんどの人にとって安全であると考えられると厚生労働省は発表しています。
食後の糖の吸収を抑えるとして、メタボやダイエットにとうたわれている「サラシア」。
スリランカでは「コタラヒムブツ」と呼ばれ、スーパーのアーユルヴェーダコーナーで原木のまま売られているほか、コタラヒムブツ入りのクッキーも販売されています。
日本では機能性表示食品として販売されており効能が謳われる一方で、信頼できる十分な情報が見当たらないため、妊産婦(妊娠計画者含む)や授乳婦、未成年、疾病のある方や薬を服用中の方は、使用を控えるように注意書きがされています。
化粧品についても同様です。
ターメリックやシナモンなどハーバル成分が前面に押し出されている自然派クリームなども、配合成分を見てみると現在の日本の化粧品類では使用されていない成分が配合されていたりします。
また日本では化粧品基準により、化粧品に配合の制限がある成分が明確に定められていますが、スリランカでは日本とは異なるため、どれくらいの割合で配合されているのかは不明瞭な部分があります。
また現在コロナ禍において、スリランカでは多くのサニタイザー(手指消毒剤)が販売されていますが、エタノール(エチルアルコール)が主成分のものと、イソプロパノールが主成分の物が販売されています。
イソプロパノールは中枢抑制作用などの吸入毒性がエタノールの2倍強く、また強い脱脂作用を示すため手荒れが生じやすく、子供や女性などが日常的に使用する手指消毒剤には向いていないとされていますが、そのような注意書きはありません。
このように、スリランカでは日常的に販売されているものでも、本来は注意が必要なものが多くあるのです。
特に食品など口に入るものについては特に注意が必要です。
例えば、香辛料(スパイス)を日本に輸入する場合、食品衛生法ならびに植物防疫法による様々な基準が設けられています。それらの多くの手続きを経て、輸入許可を得た業者であっても輸入時の検査で基準値外となる場合もあります。
厚生労働省が発表している「輸入検査時に食品衛生法違反が見つかった事例」、2020年度はスリランカは6件の事例がありました。
ナツメグ、唐辛子(粗挽き、パウダー含む)といずれも香辛料で、4件は殺虫剤で使われるトリアズホスが、日本で定められた量を超過していたもの。もう2件は天然物の発ガン物質といわれるアフラトキシン(カビ毒の1つ)が検出されたものでした。
追記)2021年度から2022年度の8月までの報告では、6件(ナツメグ4件と唐辛子2件)がアフラトキシン(カビ毒の1つ)検出、セイロンブラックティーが尿素系の非ホルモン型除草剤であるジウロンを2ppm検出、ゼリーパウダーと2件のビスケットが指定外添加物、キャツサバ粉がシアン化合物、ペパーミントティーがプロフェノホスを0.02ppm(健康を損なうおそれのない量として定める量を超過)検出されたため、成分規格不適合による積戻しまたは廃棄指示となっています。
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このように輸入許可を得ている業者が、きちんとした製造業者から輸入したものでさえも、検査によっては時折このような食品衛生法違反が見つかります。
個人間で直送してもらう場合、これらの検査を一切経ないで手元に届きます。
販売時にも、使用上の注意もないことがほとんどかと思います。
また自家製のスパイスなどは天日乾燥が多く、乾燥が不十分で輸送中の温度上昇でカビが生えてしまう場合もあります。
直送(個人間取引)を利用する場合は、あくまでそのことを念頭に置いたうえで、自分で製品表示を確認するなどしたうえで使用した方が良いかもしれません。
また食品の場合は、パッケージに記載の消費期限ではなく手元に届いたら早めに消費することをお勧めします。
そして、継続的に使用予定のもの、大量に使用予定のものについては、きちんと手順を経て販売されている日本で購入された方が良いかもしれません。
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