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スリランカの観光渡航の再開が遅れている理由は?(2020年)

8月に入りました。
スリランカは3/20に空港の到着受け入れを停止し、現在に至るまで実質の入国停止となっています。

当初、8月1日に観光渡航の受け入れを再開すると宣言しており、観光渡航の際のガイドラインもできていますが(ガイドラインの内容については、6/8投稿記事『スリランカへの観光渡航を計画する前に』をご参照ください)、その予定が8月15日に延期となり、現在はさらに延期となり入国再開日が未定となっています(9月再開の見込み)。
※8/14追記
8/13付けのニュース記事では、COVID-19の影響と送還状況をまだ評価中であり再開時期はまだ未定とあります(8/25に再開されるという憶測は否定)。
(政府の最優先事項はCOVID-19の蔓延を食い止め、世界各地で足止めされているスリランカ人を送還することであるとあるので、やはりその目途がつくまでは一般渡航向けの空港再開はずれ込みそうです)
[No-date-insight-for-BIA-reopening](←8/13 Daily FTニュース記事)

※9/7追記
9/4付けのニュース記事では、政府は空港再開時期をまだ検討中であると保健大臣が述べています。
(やはり、政府の最優先事項は世界各地で足止めされているスリランカ人を送還することのようです。これまでに約2万6000人のスリランカ人が送還(帰国)した一方で、約5万8000人がまだ送還されておらず、スリランカ国内の安全を優先事項に、適切な計画に基づいて受け入れていくと述べられています)
[Too-early-to-re-open-airports-Minister](←9/4 Daily Mirror記事)

渡航客受け入れの再開が遅れている要因として下記の理由が考えられます。
※9/7追記
上記8/14,9/7に追記したように、現時点(9/7)での再開の遅れの要因は下記3つの要因のうち、1番のみとなっています。2,3番に関してはすでに問題が解決しています

1. 海外在住のスリランカ国民の帰国の受け入れ
現在、スリランカは入国受け入れを停止していますが、特別許可の下りている者の入国は受け入れをしています。

その特別許可の一つが、海外在住のスリランカ国民の帰国受け入れ

海外からの帰国者は、そのまま指定隔離検疫施設で2週間の滞在(感染者は指定病院での治療)が義務付けられているため、到着時からそのまま厳重な防疫体制の下、検疫施設に輸送されています。

PCR検査の結果、陽性者は指定病院での治療となり、陰性者はそのまま隔離検疫施設で検疫期間を過ごします。検疫期間終了後も、さらに自宅で2週間の自主隔離が義務付けられています。

帰国を希望しているけれども、まだ帰国できていないスリランカ国民が、6月末の時点で4万6千人以上にのぼり、その帰国の目途がつくまでとの理由で、8/1の一般渡航受け入れ再開が2週間ほど遅れると発表されました。

海外在住スリランカ国民の帰国受け入れに遅れが生じている理由が、海外からの帰国者の陽性率の高さです。

参考までに8/1時点の数字を見ると、感染者数の累計は2,824人となっており、そのうち海外からの帰国者は881人と、累計感染者数の3割を占めています

上述の通り、海外からの帰国者は空港到着後にそのまま全員が隔離検疫施設に送られています。PCR検査で陽性となった者は指定病院での治療に入ります。

隔離検疫施設ならびに感染者用の指定病院も受け入れ数に限りがあります。
その受け入れ数を見ながら、帰国受け入れをしているため、受け入れスピードが遅くなるのは当然かもしれません。


2. 国内麻薬リハビリテーションセンターでの集団感染
スリランカでの現感染者数が103人となり、100人を切るのも目前となった7/10に飛び込んだ衝撃のニュース。

麻薬リハビリテーションセンターでの集団感染が発覚し、施設を行き来するセンタースタッフやセンターを訪れていた病院スタッフを介して市中感染が広がったかもしれないとの報道。

リハビリテーション施設や一部地域はそのまま封鎖され、陽性者の濃厚接触者とされる人たちは全て隔離検疫施設に送られました。

指定病院での陽性者の受け入れと、濃厚接触者の隔離検疫施設での受け入れを優先させるため、海外在住スリランカ人の帰国受け入れが一時停止となりました。

こちらも8/1時点の数字で見ると、感染者数の累計2,824人のうち麻薬リハビリテーションセンター関連での感染者数は549人と、累計感染者数の2割を占める事態となりました。


3. 国会議員選挙に伴う業務の一時停止

  スリランカでは本日(8/5)は、5年に1度の国会議員選挙の投票日となります。

2019年11/16に大統領選挙がありゴータバヤ大統領となりました。
大統領は2020年3/3に議会を解散し、本来であれば4/25に国会議員選挙が行われるはずでした。

しかし、新型コロナウイルス感染症の拡散防止のため、3月中旬に延期が発表されました。
延期後の選挙投票日は6/20に設定されたものの、新型コロナウイルス感染症が下火になっていないことから再度延期が宣言され、本日8/5の投票日となりました。

日本の政治においても、共通する部分があるかもしれませんが、選挙後の新体制に代わるまで、選挙前の業務が停滞したり、明言が避けられてしまうことがあります。

空港の再開も同様、渡航客受け入れの再開日の明言が避けられたまま現在に至ります

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以上、上記3つの理由により、渡航客の受け入れ再開が遅れているほか、再開日が未定となっていると思われます。

新型コロナウイルスの状況については、帰国者の強制隔離検疫や、国内での感染者発覚時の接触者の割り出しや、隔離検疫や封鎖など、徹底した封じ込めが功を奏しており、連日感染者数は1桁前後でゼロの日も続いています。

8/4付けの数字では、累計感染者数2,828人中、現感染者数は293人9割がすでに快復済み(死者数は11名)となっています。

ホテルや飲食店などは、すでに衛生ガイドラインに沿って営業を再開しており、受け入れ態勢は整っています。

国会が新体制になったら、海外からの帰国希望スリランカ国民の人数も加味されながら、一般渡航受け入れ再開の日にちも明確化していくのではないかと思われます

ただ、本日の選挙投票。
消毒や、記録照合などの対面が必要な場所へのガードの設置、通常より投票時間を長くして分散を図るなど、感染症対策が取られていますが、感染する可能性は、通常の日常生活と比べると高くなることは否めません。
この投票に伴う新たな感染がおこらないことを祈るばかりです。
感染者数が増加した場合、さらに入国受け入れ再開は遅れるかもしれません。


【重要】スリランカ航空のコロンボ行きについて

スリランカ航空のオンライン予約やそのほかのオンラインにおいて、現在、予約や発券が可能となっている便がありますが、入国の特別許可が出ている方もしくはコロンボでの乗り継ぎが12時間以内の方に限られます

スリランカ空港の入国受け入れは、現時点では停止されたままとなっているため、上記に該当しない方は航空券を購入できても、一般渡航再開前には入国ができないためご注意ください
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