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ランプライス(Lamprais)とは?
バナナの葉で包んで焼き上げる『ランプライス(Lamprais)』は、スリランカを代表する伝統料理の一つです。ダッチバーガー(オランダ系バーガー人)の食文化から生まれた料理で、現在ではスリランカ各地のレストランで親しまれています。
伝統的なランプライスの作り方と具材
ランプライスの伝統的な作り方は、カレーリーフとパンダンリーフをバターで炒め、何時間も肉を煮込んで作ったブイヨンスープに、カルダモン、シナモン、クローブ、レモングラス、胡椒などのスパイスを加えてご飯を炊きます。
そのご飯をバナナの葉の上に広げ、鶏肉・豚肉・牛肉・羊肉などを煮込んだミックスミートカレー、ミックスミートボールを揚げた「フリカデル(Frikadelle)」、干しエビを胡椒とニンニクでペースト状にした「ブラチャン(Blachang)」、砂糖で飴色になるまで炒めた玉ねぎにモルディブフィッシュを加えた「シーニサンボル(Seeni Sambol)」、揚げナスを甘辛く煮た「ブリンジャル・モジュ(Brinjal Moju)」などを包み、最後にオーブンで10分以上焼き上げます。
↑ダッチバーガーユニオン(DBU)で販売されているランプライス。伝統的なランプライスは見た目こそシンプルですが、手間と時間を惜しまず作られる奥深い料理です。
ランプライスの名前の由来
今ではスリランカレストランなどで、ランチメニューとして取り扱っているところが多くスリランカではなじみのある料理ですが、もとは、シンハラ語で「ランシ(Lansi)」と呼ばれるオランダ系バーガー人によって生み出された料理でルーツはインドネシアの『レンパー(Lemper)』という料理にあるというのが定説となっています。
「ランシ(Lansi)」という呼称は、オランダを意味する言葉に由来するとされ、主にオランダ系バーガー(オランダ人・ポルトガル人とスリランカ人との間に生まれた人々の子孫)を指します。
ランプライスの名前の由来は、オランダ語の「lomprijst(大まかな意味は"包まれた米料理")」と言われています。
現在のランプライスとの違い
現在では、多くのスリランカのレストランでランプライスが提供されていますが、ターメリックご飯にグリルした鶏のもも肉が添えられていたり、茹で卵または揚げ卵が添えられていたり、魚のカトレットになっていたりと、長い年月の間にシンハラ人の文化に合わせて、作り方や材料が変えられています。
ボリュームも大きく変化しています。ランプライスはもとはおやつ代わりの軽食として食べられており、一握りの米の量だったとのこと。現在は主食(一食分)としてつくられているのがほとんどです。
本場のランプライスが味わえる「VOCカフェ」
オリジナルに近いランプライスが食べられるのが、コロンボのダッチバーガーユニオン(DBU)にある『VOCカフェ』。
ダッチバーガーユニオン(DBU)とは
ダッチバーガーユニオン(DBU:Dutch Burgher Union)は、スリランカのオランダ系バーガー人により1908年に設立されたコミュニティ組織です。
バンバラピティヤ(Colombo04)にあるDBUは1903年に建てられた会員の為の建物ですが、現在はカフェ(VOCカフェ)※が併設され、誰でも自由に利用することができます。
VOCカフェで提供される料理は基本的に店内で調理されていますが、唯一ランプライスだけは外部(バーガー人によるケータリンググループ)に依頼し、VOCカフェに卸しています(2021年訪問時点)。
VOCカフェのランプライスの特徴
ここで提供されるランプライスは、文頭に書いた伝統的な作り方や材料を限りなく忠実に再現しています。
ただ、牛や豚を食べ(食べられ)ない人向けにチキンだけで煮込んだランプライスも提供しています。
スリランカで本場のランプライスを味わおう
スリランカにはカレーやコットゥロティなど有名な料理が数多くありますが、ランプライスは植民地時代の歴史とダッチバーガー文化が息づく、他にはない特別な一品です。伝統的なランプライスは手間暇を惜しまず作られるため、現在では本来のレシピを忠実に味わえる店は多くありません。スリランカを訪れた際は、ぜひダッチバーガーユニオン(VOCカフェ)で、本場ならではのランプライスを味わってみてください。
ランプライスを生み出したバーガー人の歴史
バーガー人とは
ポルトガル(1597年〜)、オランダ(1658年〜)、イギリス(1796年)による支配の歴史を辿るスリランカ。
これらの国からスリランカに来た商人の多くはスリランカに定住し、現地の人々との通婚を通じて形成された共同体の子孫による新しい社会集団は、ヨーロッパで「都市の市民」を意味するBurghers(バーガー)と呼ばれるようになりました。
イギリスの植民地時代、英語を母国語とする多くのオランダ系バーガー人の中には、行政や専門職などで重要な役割を担う人も多くいました。
バーガー人が減少した背景
1948年にイギリスから自治領(英連邦王国)のセイロンとして独立したことで、1956年にはスリランカ政府が「Official Language Act(シンハラ・オンリー法)」により、英語に代わって"シンハラ語"を唯一の公用語としました(1987年には公用語にタミル語が追加)。
この出来事は、オランダ系バーガーにとって、社会文化的地位を脅かすことになり、時とともに多くのオランダ系バーガー人が国外に移住しました。
バーガー人の人口比率は、1940年代には約0.8%でしたが、1981年には約0.2%まで減少したとされています。
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