毎年4月中旬に迎えるシンハラ・タミル新年は、スリランカで最も大切な伝統行事の一つです。この時期には、縁起の良い時間に料理を作ったり家族で食卓を囲んだりする習慣があり、色とりどりの伝統菓子「ケウィリ(කෑවිලි)」が欠かせません。
日本のおせち料理のように、新年を祝うために並べられるケウィリには、それぞれ長い歴史と地域に受け継がれてきた伝統があります。本記事では、スリランカのお正月を彩る代表的な伝統菓子7種類の特徴や味わい、現在の楽しみ方について詳しくご紹介します。
スリランカのお正月に食べる伝統菓子「ケウィリ」とは?
シンハラ・タミル新年に欠かせない祝い菓子
スリランカの正月(1月の新年も4月の新年も)には、おせち料理のようなものではなく、さまざまな伝統菓子『ケウィリ(කෑවිලි)』が食卓を彩ります。
オイルで揚げたり、砂糖やヤシ蜜で煮詰めたりしたものが多く、どれも日持ちがするため、お土産としても利用されています。
家庭で作る伝統から購入するスタイルへ
もともとは各家庭で作られていましたが、現在では店で購入する人が増えています。新年が近づくと、スーパーの一角にケウィリの販売コーナーが設けられたり、インターネットでも販売されたりします。また、ホテルなどでも新年向けのケウィリセットの広告を目にするようになります。
(↑上記画像はネット広告より)
スリランカの代表的な伝統菓子「ケウィリ」7選
① コキス|サクサク食感の塩味揚げ菓子
この揚げ菓子は、シンハラ人とヒンズー教徒のタミル人に共通する定番の正月菓子です。
米粉(小麦粉を使うレシピもあります)に卵を加え、ココナツミルクで溶いたターメリック入りの生地にコキス型(写真の法輪型のほか、蝶などの型もあります)を浸し、そのまま熱した油で揚げたものです。
甘い菓子が多い中、こちらは塩味のさっぱりとした味わいが特徴です。
↑コキスの揚げ型(ネットショップのDaraz.lkより画像転載)
② コンデキャウン|髪のお団子に見立てた縁起菓子
中央が盛り上がった様子が髪をお団子状に結った姿に見えることから、「コンデ(シンハラ語で『髪』)」+「キャウン」と呼ばれています。
③ アッガラ|キトゥル蜜が香る素朴なお菓子
炒った米粉にキトゥルヤシの蜜と削りココナツを混ぜて固めたものです。
通常はボール状に丸めたものをよく見かけます。
④ アースミ|繊細な見た目が美しい祝い菓子
米粉にココナツミルクとオクラの絞り汁を混ぜて液状にしたものを、5本の指を使って放射状に油で揚げ、温かいうちに二つに折って半円形にし、その上からアイシングを施したものです。
⑤ ムング(ムーン)キャウン|緑豆あん入りの揚げ菓子
米粉とムング豆(緑豆)の粉、挽いたカルダモンに砂糖と水を加えて煮て作った餡を紡錘形に整え、小麦粉と米粉を混ぜてターメリックで色を付けた生地にくぐらせて揚げたものです。
⑥ アルワ|落雁のような食感が楽しめる伝統菓子
炒った米粉にココナツシロップ(または砂糖シロップ)、カルダモン、刻んだカシューナッツを加えて混ぜて固め、切り分けたものです。
落雁に似た食感のお菓子です。
⑦ ドドル|ういろうに似た食感の人気菓子
米粉、粉状にしたキトゥル蜜糖、ココナツミルクを混ぜたものを鍋で煮詰め、型に流し込んで固めたものです。
ういろうに似た食感と味が特徴です。
ドドルは各地で販売されていますが、霊山スリーパーダ(アダムズピーク)の参道で売られているものが特に有名で、登山のお土産として買い求める人も多くいます。
お土産としても人気のスリランカ伝統菓子
スリランカのお正月には、おせち料理の代わりに、コキスやアースミ、コンデキャウンなど、さまざまな伝統菓子「ケウィリ」が食卓を彩ります。揚げ菓子やキトゥルヤシの蜜を使った素朴な甘さのお菓子は、家族の幸せや豊作への願いが込められた、新年に欠かせない存在です。
近年では家庭で手作りするだけでなく、スーパーや専門店、ホテルでも購入できるようになり、お土産としても人気を集めています。
新年の時期にスリランカを訪れる機会があれば、ぜひ伝統菓子「ケウィリ」を味わいながら、現地ならではのお正月文化や食文化に触れてみてください。



コメント
コメントを投稿