スリランカ渡航について(4/5時点の状況をふまえて)

2022年12/8追記)スリランカ保健省は、12/6付けで海外からのスリランカ入国者に対する新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検疫措置の変更を発表しました。詳細は右記の記事をご覧ください⇒スリランカ入国に『ワクチン接種証明書』も『陰性証明書』も不要になりました(2022年12月7日~)(←クリックすると該当記事にリンクします)
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日本のニュースでも報じられている通り、現在スリランカは外貨不足による輸入停滞に伴うガス不足、燃料不足と水不足による発電量減少に伴う計画停電などライフラインに支障が出ているほか、輸入規制や通貨急落に伴う食料品などの価格高騰と品薄が続き、日常生活に影響が出ています。

この現状に対する不満は現政権への抗議と変わり、3/31に一部激化した抗議行動が大きく報じられたのを発端に、各地で政権交代を求めたデモなどの抗議行動が行われている状況です。

スリランカ政府は、治安ならびに秩序の維持のために4/1付けで「緊急事態宣言」を発令したほか、4/2の夕方から4/4の朝までの36時間に"外出禁止令"を発令しました。
外出禁止令は予定日時に解除となりましたが、「緊急事態宣言」は現時点でも発令継続中です(追記:4/6の0時で解除となりました)。

4/4付けで、大統領と首相を除く全閣僚ならびに中銀総裁が辞任し、現在全政党が参画する暫定政権に移行となる予定ですが、まだ混乱は続いています。

そのため、スリランカ渡航時期については慎重に検討する必要があるかと思いますが、海外からの渡航客の措置を含めた現在のスリランカ観光ならびに観光客への影響について書きます。

▶外出禁止令発令中の移動について◀ 
スリランカ観光省のラナトゥンが大臣は、外出禁止令が発令中も外国人観光客は移動が可能であると通達しました。
それにより、ツーリストカーなどで旅行の方は日程表通りに次の目的地への移動等が可能です。
しかし、バスや列車などは外出禁止令に伴い運休や減便になるため、公共交通機関を利用して旅行される場合は足止め等の支障がでます。
また、トゥクトウクやタクシーなどの配車サービスも外出禁止令に伴い走行停止となります(事前予約がある、Eチケットやパスポートなど旅行者である旨を提示できる等で配車可能な場合もあります)
5/1追記:外出禁止令は、4/6以降は全域では発令されていませんが、4/19に1名の死者が出たランブッカナの騒動で、ランブッカナ警察管轄エリアに2日間にわたり外出禁止令が出ました)。

▶ 給油について◀ 
ガソリン不足に関しては、現在乗用車等に利用されるレギュラーガソリンは給油ができている状況ですが、バンやバス等に用いられるディーゼルガソリンの供給が不足していて、給油ができないまたは長時間並んで給油しなければならないなど支障が出ています。
これに対し、スリランカ観光開発局(SLTDA)は、SLTDA加盟の観光関係車両に優先的に燃料供給のするための燃料パスの導入を行っていますので、弊社も含めたSLTDA加盟のツーリストカーでの移動の場合、他の車両に比べて支障が出にくいと言えます。
5/1追記:地域により差はありますが、現在長蛇の列は解消され車種別による給油量制限もなくなっています。

▶停電の影響について◀
大型ホテルなどはジェネレーターを備えているところも多く、停電時間はジェネレーター発電に切り替えるため、停電時でも影響を受けていないところも多くあります。
一方で、ゲストハウスなど個人経営または小型規模の宿泊施設などジェネレーターを持たないところは停電スケジュール(その日の停電スケジュールは前夜に発表)にそって停電になるほか、ジェネレーターがあっても発電容量が小さいホテルなどは、電気やエアコン等の利用を制限をしていところもあり、宿泊施設によって状況が異なりますので事前に確認が必要です。

なお、日本でも報道された1日最大13時間にも及んだ計画停電は、インドより5億ドルのクレジットライン(金融に基づく与信枠)を通じて調達した4万メートルトンの発電用ディーゼル燃料が4/2に到着しており、現在1日の計画停電時間の合計は6時間前後となっていますが、燃料がなくなり次第また長時間停電になる可能性があります。ちなみにインドよりクレジットラインでディーゼル燃料燃料を受け取るのは、4回目となっています(これまで3/16, 3/20, 3/23に納入されています)。
4/11追記) 乾季による水不足により数か所で発電を停止していた水力発電も、ここ数日のベンガル湾に発生した低気圧による大雨により発電再開のニュースが出ていますので、今後水力発電による電力供給量も増加する見込みです。
5/1追記:地4/13-15はシンハラ新年ならびに聖金曜日で停電なしでしたが、それ以降の停電は1日3時間半前後にとどまっています。またメーデーの5/1ならびにラマダン明けの5/3も停電なしと告知されています。

▶観光地について◀
ヒッカドゥワやウェリガマやゴールなど、海外からの観光客が多い地域については、外出禁止令に関わらず営業しているところが多いようですが、国立公園やシーギリヤロック、ポロンナルワ遺跡群等の国が管轄ならびに運営している場所は、外出禁止令が発令されたときは閉園/閉鎖となります
5/1追記:外出禁止令は、4/6以降は全域では発令されていませんが、4/19に1名の死者が出たランブッカナの騒動で、ランブッカナ警察管轄エリアに2日間にわたり外出禁止令が出ました)。

▶デモの影響について◀ 
現在スリランカ各地でデモ等の抗議行動が起こっています。
日本のニュースでは、大統領私邸前でバスに火がつけられた暴動的な場面が報じられているため、各地のデモもこのように暴力的なものになっているのではないかと不安になる方もいるかもしれませんが、多くのデモは抗議プラカードをもって主張を掲げるもので暴力的なものではありません。抗議行動は国民の権利でもあるため、抗議中は警察もいますが暴力的なものでない限り制止することはありません。現在はコロンボのゴールフェイスの大統領事務局(旧国会議事堂)の前が中心地となり、非暴力的抗議デモが続いています。
とはいえ、抗議行動の規模によっては道路封鎖や規制が入るため、通行止めや迂回しなければならなかったり、それに伴う交通渋滞の影響が出ることが予想されます。

在スリランカ日本大使館からの喚起について◀ 
在スリランカ日本大使館からは、スリランカに在留/滞在中の方に対して外出に際しては以下の注意事項に留意してくださいとの喚起が出ています。
・スリランカ政府の発表や報道により、最新の関連情報の入手に努める。
・いつでも、どこでも抗議行動の場に居合わせる可能性があることに留意し、周囲の状況に常に注意を払う。
・特に抗議行動による道路封鎖や当局による規制等により、交通渋滞が発生する可能性が高い。
・抗議行動の場に遭遇した場合には、むやみに近づいたり、写真を撮影したりせず、警察等治安当局が現場にいる場合には、その指示に従って、速やかにその場を立ち去る。
なお、在スリランカ大使館からのこのような通知メールは在留届を出している方以外にも、外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録すると情報がメールまたはLINEで受信できます
「たびレジ」は、渡航予定はないけれど特定の国の安全情報を受け取りたい方も利用することができますので、スリランカの現状等の情報を得たい方はご利用ください(↓下記アドレスをクリックすると「たびレジ」のトップページにリンクします↓)
💡外務省海外旅行登録「たびレジ」https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html

以上が現時点の観光に関する影響です。
海外からの渡航客への優遇措置は取られていますが、現在はまだ事態は流動的なため旅行の時期については慎重に検討が必要です

特に公共交通機関を利用した『ローカル体験の旅』は停電や外出禁止令など情勢や政情の影響を受けやすいと言えます。
しかし、移動型や周遊型ではなく、 アーユルヴェーダーホテルやビーチリゾートなど『ホテル滞在型の旅』であれば影響やリスクは少ないと言えます。

このような状況下ですので観光以外にビジネスの場合も含めて、スリランカの渡航をされる場合、事前に宿泊場所の確保とツーリストカーなどプライベートの移動手段の確保最低限必要かと思います。

ただ、日本のニュースでは困窮や混乱ばかりがクローズされている印象を受けます
もちろんそれは紛れもない事実の一方で、新年に向けてのセールやクレジットカードオファーが開催されている施設は連日多くのローカル客でにぎわい、観光地には外国人観光客以外にも、家族連れやグループなどローカルの国内旅行客の姿があり、いつもと変わらない日常生活があるのも紛れもなく現在のスリランカです
今年は4/13,14がシンハラタミルの新年、4/15が聖金曜日、4/16がポヤデー、4/17は日曜日と祝祭日により5連休となります
そのため、ホテルなどは、4月はシンハラ・タミル正月、イースター、ラマダンなどの祭事に合わせたフェアを開催していたり、ローカル向けの特別宿泊料金を出したりしています。

しかし既述の通り情勢や状況は流動的ですので、スリランカ渡航を計画される場合は必ず現地の方にご相談ください
い。


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