[サマハン] 以外のお勧めハーバルティー [パスパングワ]

スリランカではアーユルヴェーダーを含む、古来より伝わる伝統医学が根付いています。
その中心にあるのが植物で、様々な病気の治療や予防に薬用植物が使われています。

スリランカには1400種以上の薬用植物があり、非常に多様性に富んでいます。
中でも約250種の薬用植物が伝統医療に広く利用されており、とりわけ50種が重用されていると言います。(参考文献:TRADITIONAL USES OF MEDICINAL PLANTS IN SRI LANKA WITH SPECIAL REFERENCE TO HERBAL DRINKS (Journal of Biology and Nature, 11(2), 1-13.)
サマハン(Samahan)といえば、14種のハーブやスパイスにきび糖が配合された顆粒茶で、お湯を注ぐだけで手軽に飲用することができるハーバルティー(紅茶葉は入っていません)です。
スリランカでは風邪の引きはじめなどに飲用されます。

日本でも販売されており、スリランカ土産としても定番になりつつあります。
生姜やコショウが入っているので、体を温める役目を果たしており、冬にもおすすめの飲み物です。

サマハンに入ってる原材料(カッコ内のイタリック体は学名)は、下記の通りです。
原材料名は、サマハンのパッケージ(通常/日本用)に記載されている名前を記載しましたが、和名などがある場合は、その名前も併記しています。赤字は下記に記載するパスパングワに主要で処方されているものです。
1.Vishnukranthi/ウィッシュヌクランティ (Evolvulus alsinoides):(和名)アサガオカラクサ
2.Siritekku/シリテーク(Premna herbacea)
3.Veniwel/ファルスカルンバ (Coscinium fenestratum)
4.Ginger/ジンジャー (Zingiber officinale):生姜
5.Adhatoda/アダトタ (Adhatoda vasica)
6.Pathpadagam/パッパーダガム (Hedyotis herbaceae)
7.Long pepper/ロングペッパー (Piper longum):(和名)ヒハツ/インドナガコショウ
8.Liquorice/リコリス (Glycyrrhiza glabra):(和名)甘草
9.Corander/コリアンダー (Coriandrum sativum):(和名)コエンドロ
10.Ajowan/アジョワン (Carum copticum)
11.Cumin/クミン (Cuminum cyminum)
12.Black pepper/ブラックペッパー (Piper nigrum):黒コショウ
13.Galangal/シヴァガランガル (Alpinia galanga):(和名)ナンキョウソウ
14.Katuwelbatu/イエローベリードナイトシェイド (Solanum xanthocarpum)
添加物:きび糖

スリランカでサマハンよりもよく知られているのが『パスパングワ(Paspanguwa)』
パスパングワは、熱、風邪、咳、くしゃみ、体の痛みなどの風邪の初期症状の治療薬として煮だして飲用されます。
パスパングワの‘パス(パハ)はシンハラ語で数字の’を指します。
名前の通り基本は5つの薬草に、その他いくつかの薬草が加えられられています。

一般的には下記の5つの成分が処方されています。
1.Ginger/ジンジャー (Zingiber officinale):生姜
2.Pathpadagam/パッパーダガム (Hedyotis herbaceae)
3.Katuwelbatu/イエローベリードナイトシェイド (Solanum xanthocarpum)
4.Veniwel/ファルスカルンバ (Coscinium fenestratum)
5.Corander/コリアンダー (Coriandrum sativum):(和名)コエンドロ

上記5つの薬草を含めた合計10種前後の薬草が配合されています。
↑TRADITIONAL USES OF MEDICINAL PLANTS IN SRI LANKA WITH SPECIAL REFERENCE TO HERBAL DRINKS (Journal of Biology and Nature, 11(2), 1-13.)に使用図表より転載

内容を見てみると、サマハンの成分にも含まれてる成分が多くあります。
サマハンを製造するリンク社が製造するパスパングワは7種の薬草がサマハンにも使用されています。
【リンク社の「サマハンと「パスパングワ共通して入っている原材料】
1.Vishnukranthi/ウィッシュヌクランティ (Evolvulus alsinoides):(和名)アサガオカラクサ
3.Veniwel/ファルスカルンバ (Coscinium fenestratum)
4.Ginger/ジンジャー (Zingiber officinale):生姜
6.Pathpadagam/パッパーダガム (Hedyotis herbaceae)
9.Corander/コリアンダー (Coriandrum sativum):(和名)コエンドロ
12.Black pepper/ブラックペッパー (Piper nigrum):黒コショウ
14.Katuwelbatu/イエローベリードナイトシェイド (Solanum xanthocarpum)

サマハンはきび糖が加えられているため、甘いのが好きではない方や糖分接種を控えたい方にはパスパングワの方がお勧めです

とはいえ、多くのアーユルヴェーダ薬局では下記のようにそれぞれの薬草がそのままパックされているものを多く見かけます。これらを煮だして飲用するのですが、それぞれの薬草が、そのまま入っているので、1袋丸々使用しなければならない上、煮出す時間もあり手間がかかるのが本音です。
ところが、現在はティーバッグになっているものや、細かく粉砕したタイプのパスパングワが販売されています。いずれもパッケージには「パスパングワ(පස්පංගුව)」と書かれていますが、原材料は基本の5種の他は、各社様々です。
↑一番左からSiddhalepa社のティーバッグタイプ(5種の薬用植物)、Sethsuwa Ayurveda Hospital製造の粉砕タイプ(8種の薬用植物)、Link社の粉砕タイプ(8種の薬用植物)

Link社の粉砕タイプの中身

シッダーレーパ社のティーバックタイプは、ティーバックになっているためそのままカップに入れてお湯を注げば飲めるのでお手軽です。ちなみにシッダーレーパ社の製品には濃縮エキスタイプのパスパングワもあります。
残りの二つの粉砕タイプは、10~15分煮だして飲むのが推奨されていますが、ティーポットや急須に入れて熱湯を注いでしばらく置いてから飲むこともできます。

これから寒い時期、風邪も流行する季節です。
風邪かな?と思ったら、是非スリランカのハーバルティーを飲んでみてはいかがでしょうか。

とはいえ以前も記事にしましたが、アーユルヴェーダ製品、ハーブ、スパイスと聞くと"天然"、"自然"と安全なイメージがありますが、手軽に取れるサプリメントやお茶であっても継続的(長期的)に飲用並びに服用するのではなく、「何のために服用するのか」「どの状態になりたいのか」「いつまで服用するのか」自分の健康状態がどのような状態にあって、どの状態に持っていきたいのかも含めて、目的をもった服用ならびに医師への相談が大事かと思います

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