切手で見るシンハラ・タミルの新年の伝統的風習
ホロスコープ(占星術)によって決められた、2023年の新年の時刻や関連する儀式に適した吉兆時間(ネカタ:Auspicious Time)は『シンハラ・タミル新正月2023年:各儀式の時間発表』(←タイトルをクリックすると該当記事にリンクします)でご紹介しました。
衣装からもシンハラ人、タミル人(ヒンズー教徒のヒンズータミルとイスラム教徒のタミルムスリム)と民族の特徴を見ることが出来ます。
↑シンハラ・タミルの新年記念切手(2022年4月14日発売)【シンハラ・タミルの新年の始まり】
【新年の伝統的風習】
1. お菓子の揚げ始め
新年の伝統菓子を作る作業は、村の女性たちが集まって始めます。上に描かれている女性の衣装(丈の短い上衣にチェーッタと呼ばれる巻きスカート)はインドからサリーが伝わる前のシンハラ女性の伝統的な衣装です。
スリランカ伝統太鼓ベンチラバン
2. [ヒンズータミル由来の風習]お菓子のお裾分け
この沸騰した牛乳(ココナツミルク)にご飯、カシューナッツやカルダモン、ギーなどにサトウキビ汁を混ぜた甘いごはん『ポンガル』を作ります。
コーヴィルからもらってきた『ナーヌ(නානු):薬草の汁と油を調合したもの』を髪に塗り、入浴して新しい服を着ます。
シンハラ・タミルの風習お菓子のお裾分け
伝統遊びジャナクリダー
3. [シンハラ的風習]台所の掃除
台所の掃除は女性(母や娘)が行います。
4. [シンハラ的風習]"新年の王子様 "にお供え
自宅の庭の東側に、柔らかいココナツの葉で作られたお供え台に新米をお供えします。
その近くには、鎌や鍬、ゴムの枝やココナッツ、または柑橘類の植物を置きます。食事の吉兆時間になると、、母親は炊きたてのキリバット(ココナツミルクで炊きなおしたご飯)やお祝い菓子を容器に入れて、家の主(夫)に手渡します。子供たちも水を入れたコップや、献灯ランプを持ちお供えをします。
これらをお供えすることは、大変ご利益があるとされます。5. [ヒンズータミル由来の風習]ブランコ漕ぎ
ブランコの上下(揺れ)はそれぞれ日の出と日の入りを表しています。新調した服を着た女の子たちが「スイングの詩」を歌いながらブランコを漕ぎます。
ブランコ遊びは、豊穣や健康の守護女神とされるパッティニ信仰と結びついた伝統とされ、古くは若い女性を中心に行われていたといわれています。6. 新年の食事
最後に、母親がこの白い布を膝にかぶせ、最初のキリバットを夫に取り分けます。
母親が新年最初のキリバットを口に運び、その後、残りの家族は父親(家長)から一口づつキリバットを食べさせてもらいます。
その後は、各自が好きなように食事をし、皆で食事を共に終えることで締めくくります。7. [シンハラ由来の風習]ディヤワラガヌ-デヌ(水への感謝を表す儀式)
この儀式は、貴重な水を供給する水源に敬意を表する目的で行われます。この風習は、村の女性のみで行われています。
吉兆時間になると女性たちは、新調した服を着て、水瓶を持って普段利用している水源(川など)赴きます。
彼女らは、水源に水を浄化させるといわれるジャックフルーツの枝、炭、イギリ(学名Strychnos potatorum)の種子や根を投げ込みます。母親から末娘まで、手に水を取り拝みます。3回それを繰り返した後、水瓶に新鮮な水を入れます。
この儀式の間は、一切言葉を発してはいけないとされています。地域によっては、水源の近くにコインや花を置く風習のところもあります。
8. [タミルの風習]コーラム
【ミルクの吹きこぼし】
この儀式の前に、コーヴィル(ヒンズー寺院)に出向き、ナーヌ(නානු:薬草の汁と油を調合したもの)をもらってきます。吹きこぼした後の牛乳で、ポンガルライスを作ります。その際には、新しい鍋が使用されます。
【お祝い菓子のお裾分け】
新調した服に身を包み、親戚や近所に新年のお菓子(ムング、コキス、ムルックなど)を分け合います。【コーラムデザイン】
色を付けた米粉を使い、家の玄関先や庭先にコーラム(Kolam)を描きます。【家の装飾】
家の中に花輪で飾り、マンゴーの葉を玄関に吊るします。9. 仕事始め
スリランカは古くから農耕生活を基盤としており、鎌や鍬を使って畑仕事をする風習がこの儀式には残っています。
ジャックツリーの樹液
吉兆時間になると男性(父親や息子)は外に出て、中から乳白色の樹液が出るまでジャックツリーの枝を鎌で叩きます。この乳白色の樹液を見ると幸運が訪れると信じられています。伝統料理ハトマールワ
同じ時間、女性たちは台所に集まり、穀物や野菜、薬草など7種類の食材を用いた伝統料理「ハトマールワ(හත්මාළුව)」を調理します。
10. 伝統の遊び「オリンダ ケリヤ」
↑「Moulding a sweet past(Sunday Times:April 14, 2019)」より画像転載1つの穴に4つづつ合計56個のオリンダ(学名:Abrus precatorius、和名:トウアズキ)の種を入れて、2つのグループに分かれてスタートします。
オリンダの種には毒性がある
オリンダの種は、かつて学校教育の場でも数を数える教材として利用されていました。しかし、種には毒性があることが知られるようになり、現在では取り扱いに注意が呼びかけられています。切手で見るシンハラ・タミルの新年の伝統的風習
シンハラ・タミル正月については、これまでもさまざまな形で紹介してきましたが、今回の記念切手を通して改めて伝統的な風習を見直してみると、現代では簡略化されたり地域によって受け継がれ方が異なったりするものも少なくないことに気付かされます。




















コメント
コメントを投稿