映画のロケ地スリランカ『The Bridge on The River Kwai/戦場にかける橋』と リバーアクティビティの聖地
スリランカは多くの国際的映画のロケ地にもなっています。
スリランカ政府観光局では5つの映画の代表ロケ地の写真をアップしていますので、それぞれの映画とロケ地について一つづつご紹介します。今回は5作のうちの2作目。
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🎥『The Bridge on The River Kwai』(1957年公開)
🎥邦題「戦場にかける橋」(日本公開も1957年)
(物語概要)
1952年に出版された小説が原作。
第二次世界大戦中のタイとビルマ(現在のミャンマー)の国境付近にある捕虜収容所を舞台に、日本軍の捕虜となったイギリス軍兵士らと、彼らを鉄道建設に動員しようとする日本人大佐との対立と交流を軸に、戦下における人間の尊厳や誇り、戦争の悲惨さを描いた作品。
本作は、第30回アカデミー賞の作品賞を含む7部門を独占しました。
▪Kithulgala(キトゥルガラ)、
▪Peradeniya Botnical Garden(ペラデニア植物園)
▪Mount Lavinia Hotel(マウントラビニアホテル)など
ペラデニア植物園
マウントラヴィニアホテルとマウントラヴィニアビーチ
◆なぜスリランカがロケ地に?◆
ウォーデン少佐を演じたジャック ホーキンスは、スリランカ(当時はセイロン)に滞在した経験があり、キトゥルガラの森に囲まれた川辺の風景を覚えており、プロデューサーのスピーゲルに「撮影に理想的な場所」とアドバイスしたとのこと。
それを元に行ったロケハンで好意的な報告を受けたスピーゲルと監督のリーンは、スリランカ(当時はセイロン)での映画製作を決定しました。
◆クワイ橋◆
映画の題名にもなっているクワイ橋。
キトゥルガラでは、美術監督の指導のもと大工と鉄道作業員が4ヵ月以上かけて木橋と線路を作りました。その当時は、それまでに建設された映画セットの中で最大のものと言われています。
ちなみに橋は撮影終了後に解体され、基礎を打ち込んだ跡やクサビが残っています。
2014年に観光の為に57年ぶりに再建するとのニュースもありましたが着工の報道はありません。
◆早川雪州とゴールフェイスホテル◆
斉藤大佐を演じた早川雪州は、1910年代に草創期のハリウッド俳優として活躍しました。彼はアメリカとヨーロッパで主演男優として活躍した最初のアジア系俳優とも言われています。
コロンボにあるゴールフェイスホテルは1864年開業の歴史あるホテルで、昭和天皇(裕仁皇太子時代)や各国の王室や著名人が宿泊している由緒あるホテルです。
ホテル内の博物館やバーなどに飾られた写真パネルには早川雪州氏もあり1957年に宿泊したと記録されています。
◆キトゥルガラ(Kithulgala)◆
キトゥルガラはコロンボから約90km、キャンディから約60kmとアクセスのよい場所にある風光明媚な町です。
地名はキトゥルヤシ(クジャクヤシ)が由来で、かつては自然のキトゥルヤシ林が広がり、ハクル(ヤシ糖)やキトゥルペニ(ヤシ蜜)の生産地でもありました。
キトゥルガラといえはリバーラフティングのスポットとしても有名で、キトゥルガラ全域を流れるケラニ川には、大小の急流スポットがありスリリングなラフティングを楽しめます。他にもカヤック、川遊び、沢登り、滝滑りなどリバーアクティビティが楽しめます。
バードウォッチングスポットとしても有名で、固有種の9割の鳥類が観測されるシンハラジャ森林保護区と同じ種数が観察されています。
※キトゥルガラについては以前記事にしていますので、興味がある方は下記リンクをご覧ください
◆ダムと水力発電◆
この地は2013年より水力発電の為のダムが建設(The Broadlands Hydropower Project)され、2021年11/19にマヒンダ ラージャパクサ首相が、首相官邸から水力発電プロジェクトのメイントンネルに放水する儀式を執り行ったと報道されています。
約3.5kmのトンネルに水を運ぶことにより、既存のポルピティヤ発電所の下流で水力を利用することができ年間126GWhの発電量を見込んでいます。
稼働が開始されると川の水量が大幅に減少し、ラフティングやリバーアクティビティスポットとしての観光地としての存続が懸念されていますが、スリランカ電力庁はミニ水力発電所を使ってしっかりとした放水を維持することを決定しています。
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