スリランカは、「繊維・衣類製品 」が輸出額の約半分を占める世界有数のアパレル生産国です。世界的ブランドの製品を数多く製造している一方で、近年では「作る国」から「デザインを発信する国」への転換も進んでいます。
その中心となっているのが、2003年に始まったコロンボファッションウィーク(Colombo Fashion Week/CFW) です。若手デザイナーの育成や国際市場への進出支援などを通じて、スリランカ発のファッションブランドを世界へ送り出しています。
今回は、スリランカのアパレル産業の現状と課題、そしてCFWが果たしている役割についてご紹介します。
スリランカは世界有数のアパレル・繊維製品の生産国 繊維・衣類製品はスリランカ最大の輸出品目 繊維業はスリランカの主要産業の一つであり、「繊維・衣類製品」はスリランカ最大の輸出品目です。2020年には総輸出額の約46%を占めており、同国経済を支える重要な産業となっています。
世界的ブランドを支えるスリランカの縫製技術 Tommy Hilfiger(トミー ヒルフィガー)やVictoria's Secret(ヴィクトリアズ・シークレット)、女性用下着ブランドのTriumph(トリンプ)など、有名ブランド向けの製品を製造するアパレル企業が数多く存在します。
また、日本のユニクロ(UNIQLO)やワコール(Wacoal)も、スリランカを生産拠点の一つとしています。
スリランカ最大手の衣類製造企業Brandix(ブランディックス)が生産するジーンズの顧客には、Levi's(リーバイス)、Gap(ギャップ)、Pierre Cardin(ピエール・カルダン)などの著名ブランドが名を連ねています。
このように、スリランカは高品質な繊維・衣類製品の生産国として知られています。
ファストファッションの裏側とスリランカが抱える課題 しかしその一方で、「生産国で安く製造し、消費国で高く販売する 」というファストファッションの構図の中で、製造国や下請け企業の労働環境、発注企業との力関係など、多くの課題も抱えています。
ブランディックスの新型コロナ集団感染が浮き彫りにした問題 実際、2020年10月には、上記でも名前を挙げたブランディックスで1,000人以上の新型コロナウイルスの集団感染が発生しました。その際には、納期に間に合わせるため、体調が優れなくても勤務していた実態が明らかになりました。
映画『グリード ファストファッション帝国の真実』で描かれた現実 2021年6月に日本で公開された映画
『グリード ファストファッション帝国の真実 』 は、ファストファッションブランド経営者の栄光と転落をブラックユーモアを交えて描きながら、その華やかさを支える搾取の構図というファッションビジネスの闇に切り込んだ作品です。
劇中に登場する下請けの縫製工場は、実際にスリランカの縫製工場で撮影されています。
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『グリード ファストファッション帝国の真実』予告編
コロンボファッションウィーク(CFW)とは? しかし近年、スリランカは単なる衣料品製造国にとどまらず、ファッションやデザイン、デザイナーを世界に発信する国へと変化しつつあります。
2003年に始まったスリランカ最大のファッションイベント CFW は2003年にスタートし、現在ではスリランカ国内のみならず国際的にも高い知名度を誇り、スリランカのファッションを世界へ発信する重要なプロジェクトとなっています。
Swim Week Colomboで披露された最新コレクション 今年の『Swim week Colombo 』では、11人のスリランカ人デザイナーが、リゾートウェアなどの最新コレクションを披露しました。
『Swim week Colombo 』の模様は下記リンクよりご覧いただけます。
💃11/13開催(※映像は41分30秒頃開始します)
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💃11/14開催(※映像は 14分30秒頃開始します)
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CFW創設者アジャイ・ヴィル・シンの挑戦 スリランカ発ブランドを世界へ発信するビジョン CFW の創設者兼マネージングディレクターはAjai Vir Singh(アジャイ・ヴィル・シン) 。
アジャイ氏は、スリランカ人デザイナーに誇りを持たせ、消費者がスリランカ発のファッションを喜んで購入するようになることを目指し、ファッション業界全体に進歩的な変化をもたらすべくCFWを立ち上げました。
若手デザイナーを育成するメンターシッププログラム 彼らは単にファッションショーを開催するだけではなく、デザイナーの悩みや課題に耳を傾け、考え方や経験を共有するメンターシッププログラムや、販売店でのプレゼンテーションなどにも取り組んできました。
また、CFW立ち上げ当初から、アジャイ氏はスリランカのアパレル産業を象徴する言葉として「Garments Without Guilt(罪悪感のない衣服) 」というフレーズを提唱し、そのプロモーション活動にも尽力してきました。
Fashion Design Council Sri Lanka設立への取り組み さらに2015年には、スリランカのデザイナーが所属できる組織Fashion Design Council Sri Lanka(スリランカ・ファッションデザイン評議会) の設立にも尽力し、自ら理事を務めています。
「作る国」から「発信する国」へ進化するスリランカ 世界的なアパレルブランドの生産を担ってきたスリランカは、現在、「高品質なものづくり」の国から「ファッションを発信する国」へと新たな一歩を踏み出しています。
コロンボファッションウィーク(CFW)は、単なるファッションショーではなく、デザイナーの育成やブランドの国際展開、持続可能なものづくりを支える重要なプラットフォームです。「Garments Without Guilt」の理念のもと、品質だけでなく倫理性や創造性も兼ね備えたスリランカのファッションは、今後さらに世界から注目を集めていくでしょう。
ファッションを通してスリランカを知ることは、この国の産業や文化、そして未来への挑戦を知ることにもつながります。旅行の際には、現地ブランドやデザイナーの作品にもぜひ注目してみてください。
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