毎月あるポヤデーの中でも、仏陀の誕生、成道(悟り)、入滅を記念する5月のウェサックポーヤ(Vesak Poya)に次いで盛大に祝われます。
ポソンポーヤの飾りに描かれる「僧侶・鹿・マンゴー」の意味
ポソンポーヤだけに見られる特徴的なモチーフ
これらは、紀元前3世紀にマヒンダ長老とデーワーナンピヤ・ティッサ王が出会い、仏教がスリランカへ広まるきっかけとなった出来事を表しています。
スリランカに仏教が伝わった日|マヒンダ長老とティッサ王の出会い
ミヒンタレーで行われた運命の出会い
同時期に、インドの皇帝アショーカの息子で、僧侶となったマヒンダ長老は、アショーカの使者として、数名の阿羅漢(仏教の悟りを得た聖者)と在家信者を伴って仏教流布の為にインドよりミヒンタレーを訪れていました。
鹿に姿を変えた山の神の伝承
一方ティッサ王は、ある大きな鹿を見つけその後を追っていきます。アンバスタラ(Ambasthala)と呼ばれる場所(現在のミヒンタレー)にたどり着いたティッサ王は、そこでマヒンダと対面しました。
実は、ティッサの追った大きな鹿は、ティッサ王をマヒンダに引き合わせるために山の神が鹿の姿となってティッサ王を導いたという伝承も残されています。
有名な「マンゴー問答」とは?ティッサ王の理解力を試した対話
マンゴーの木を使った問答
「関係ある人とない人」の問答
なぜマヒンダは質問をしたのか
そしてティッサ王は、マヒンダから仏教の教えを受け仏教に帰依しました。
この出来事が、スリランカに仏教が伝わった象徴的な出来事とされていることから、6月の満月の日は「仏教伝来の日」として祝われています。
ポソンポーヤの聖地・ミヒンタレーとアヌラーダプラ
アンバスタレー大塔(Ambasthale Dagoba)
ティッサ王とマヒンダが出会ったとされる場所には、現在仏塔が建てられています。その仏塔の名前はアンバスタレー大塔(Ambasthale Dagoba)。Ambaとはシンハラ語で「マンゴー」のことを指します。それぞれが立っていたとされる位置には、ティッサ王とマヒンダの像が置かれています。
インビテーションロックから望む絶景
アショーカ王とは?スリランカへ仏教を伝えた背景
「残忍な王」と呼ばれた若き日のアショーカ
アショーカ皇帝は軍を率いて領土の占領と併合に成功し、アショーカの地位と評判は、「最高にして征服不能な指導者」といわれるまでになりましたが、一方で「残忍な指導者」とも呼ばれていました。
仏教との出会いで変わった統治
深く反省し正しい統治者になることを決意したアショーカは、モッガリプッタ・ティッサ長老に師事し仏教の教えを学びます。その後、自分が教えられた仏教精神を広めるのが自分の使命だと考えるようになります。
それからのアショーカは「すべての人々の幸福を促進すること以上に良い仕事はない。私の息子、孫、曾孫が世界の福祉のために行動するように」との信条のもとに行動をします。その対象は人間だけではありませんでした。
「人間が心の平安と保護を享受し、自制心と純粋な心を持って生きているように、私は私の王国のジャングルの動物たちも同じように生存を享受することを望む」
この信条をもとに、道路沿いには動物や人間に日陰を与えるために街路樹を植えさせ、生き物の食料となるマンゴー畑を作りました。また様々な場所に井戸を掘らせて、動物や人間が使える水場を作らせました。アショーカは残忍な支配者でしたが、自分の行いを悔い改めてからは、すべての人の模範となる指導者になりました。
「ダルマショーカ」と呼ばれるようになった理由
ダルマ(ダンマ)とは「真理」「教え」「法」「正しい生き方」などを意味する言葉であり、仏教の理想に沿って統治を行った王として、現在でも南アジア各地で敬われています。
ポソンポーヤはスリランカ仏教の原点を知る特別な祝日
ポソンポーヤは、6月の満月の日にスリランカへ仏教が伝わったことを記念する、同国を代表する仏教行事の一つです。
街を彩るランタンや仏教旗だけでなく、僧侶・鹿・マンゴー・王といったポソンポーヤならではのモチーフには、マヒンダ長老とデーワーナンピヤ・ティッサ王の出会い、そして仏教伝来という歴史的な出来事が込められています。また、「マンゴー問答」は、ティッサ王の理解力を確かめるために交わされた有名な対話として、現在も語り継がれています。
さらに、この出来事の背景には、武力による征服から慈悲と道徳を重んじる統治へと転換したアショーカ王の存在があり、その教えは息子マヒンダ長老を通じてスリランカへと受け継がれました。
ポソンポーヤの由来を知ることで、ミヒンタレーやアヌラーダプラに残る史跡や、街中で見かける装飾の意味がより深く理解できるはずです。スリランカを訪れる機会があれば、仏教伝来の舞台となった聖地を巡りながら、この国の歴史や文化に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。






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