【スリランカ】エナデシルバ生誕100周年展覧会 (後編)

エナデシルバ(Ena de Silva:1922-2015年)はスリランカを代表するバティックアーチストです。英語の発音ではイナ
エナは2015年に93歳でこの世を去りましたが、2022年はエナ生誕から100周年となるのを記念して、10月22日から各所で展覧会が開催されています。

前編ではBarefoot Loft Galleryで開催中(11/3まで)の『Ena de Silva and the Making of a Sri Lankan Modern』Rithihi で開催中(11/3まで)の『Ena’s Sarees』の展示内容について紹介しました。⇒エナデシルバ生誕100周年展覧会 (前編)(←タイトルをクリックすると該当記事にリンクします)

後編では、建築家のC.アンジャレンドランの自邸と、バワが改築を手掛けたデサラムハウで開催されたプログラムを紹介します。
引用元の記載の無い写真は、全て会場内で撮影したものですので不明瞭な点はご了承ください。

❸ オープンハウス
プログラム名:『Ena de Silva Sarongs & Memorabilia: View of a collection with Anjalendran』
会期:2022年 10/22, 10/23
会場:The Crooked House (Battaramulla)
開場時間:各日4回(計8回開催)
建築家のC.アンジャレンドラン(Chelvadurai Anjalendran)が私邸を開放し、氏自ら友人であったエナとの思い出や時代背景を語り、私邸を案内しながらエナがデザインしたサロン(男性用腰巻)などのコレクションを紹介する貴重なプログラムとなりました。
C. Anjalendran:1951年生まれのアンジャレンドランは、スリランカのモラトゥワ大学で建築の学士号を取得後、ロンドンの大学院で空間形態学の研究修士を取得後、スリランカに戻り建築の仕事を経て1982年に自身の事務所を立ち上げる傍ら、親友のバワのアシスタント兼秘書を10年間無給で務めた経歴を持ちます。
ダイニングテーブルにはエナの代表作[Sun Burst]のテーブルクロスがかけられています。
また、左にはエナ(アルヴィハーラヘリテージセンター)のナプキンなどでテーブルセッティングされています。
右のスクラップブック類には、アンジャレンドラン氏が集めたエナに関する記事がスクラップされています。またスクラップブックの上にあるブックレットは、エナのバティック作品が表紙になっています。

エナが1981年マータレーに立ち上げた工芸品の共同組合『マータレーヘリテージセンター』で、伝統工芸技術の訓練ならびに継承されたものの一つが真鍮鋳造でした。

↑エナ(旧マータレーヘリテージセンター)の刺繍コレクション↑

↑エナ(旧マータレーヘリテージセンター)のバティックベッドカバー(手前)とサロマ(奥)コレクション↑
ベッドルームの壁に飾られたバティックは[Nawandanna Hanuman Kodiya]を基に作られた作品です(下記絵参照)。
↑(参照)[Sinhalese banners and standards(初版は1916年)/Edward Walter Perera著]↑

↑アンジャレンドラン氏のエナ(旧マータレーヘリテージセンター)のサロマ(手前)コレクションは60着以上にもなります↑

↑10着以上のサロマをアンジャレンドラン氏が広げて解説。左は最もお気に入りのサロマ。右はエナらしいエナでなければ作れないエキセントリックな配色・パターンだと思うサロマ↑

手前は、エナ(旧マータレーヘリテージセンター)のテーブルリネンなど。バティックの手拭きなどは当時数百ルピーで販売されていたとのこと。

ベッドの壁に飾られているバティックは、キャンディにあるカタラガマデーワーレより発見され[Mahanuwara Kataragama Devala Kodiya]を基に作られた作品です。
ちなみに同じ[Mahanuwara Kataragama Devala Kodiya]を基に作られた作品は、今展覧会Barefootの会場でも見ることができます(下記写真参照)、

❹ 展覧会-Ⅲ
展覧会名:『Living with Ena』
会期:2022年 10/29,30 (10:00~18:00)
会場:De Saram House (Ward Place, Colombo 07)
開場時間:両日10:00~18:00
入場料:無料
会場となったデサラムハウスの家長のドゥルヴィ(Druvi de Saram)はピアニストです。
この家は、元はドゥルヴィの両親が所有していた家と敷地でしたが、ドゥルヴィが譲り受け4人家族の住居として1986年にバワに改築を依頼しました。
バワは、ドゥルヴィの両親が住んでいた家も含めて改造し、さらには外壁と古いガレージの間を連結させ、そこにも部屋を造り全体に1つの家の空間としました。
このデサラムハウスは半屋外にあるリビングスペースなど内と外の境界線が曖昧なバワらしい設計となっています(現在、4室に宿泊が可能)。

📝デサラムハウスについては、以前スタッフブログに書いていますので、興味のある方はご覧くださいジェフリーバワとデ・サラム家(←タイトルをクリックすると該当記事にリンクします)

今展覧会では、このデサラムハウスをエナ(アルヴィハーラヘリテージセンター)のベッドカバーやクッション、テーブルリネン、タペストリーなどの装飾で彩りました。『エナ(アルヴィハーラヘリテージセンター)の作品(製品)に囲まれた暮らし』がテーマとなっています。
なお、ベッドリネンやテーブルリネン、部屋の装飾などは今回の展覧会のための特別仕様で、通常宿泊時のものとは異なります。

デサラム夫妻の末娘(Radhika)の部屋の階段下にあるオープンリビング

 [Sharmini&Druvi's Room]
この部屋はデサラム夫妻のマスターベッドルームとして使われていた部屋。
メゾネット式になっており、中2階に収納とワークスペースがあります。

[Mandhira's Room]
デサラム夫妻の長女Mandhiraの部屋だった場所。
デサラム夫妻の部屋の隣にあり、メゾネットタイプの部屋の作りはデサラム夫妻の部屋とほぼ同じですが、ベッドの向きや窓の位置、バスルームの造りなどが異なります。こちらの部屋は出窓が深くとられソファの役割も果たしています。

↑両脇を中庭に挟まれた開放感な触れるダイニングルーム↑

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