スリランカのほぼ中央、マータレー県に位置する📍ナーランダ・ゲディゲ(Nalanda Gedige)。
ゲディゲ(Gedige/ගෙඩිගේ)とは、スリランカの古代寺院建築に見られる、仏像などを安置する仏堂の建築形式を指します。
ナーランダ・ゲディゲ周辺には菩提樹が植えられ、ダーガバ(仏塔)も残るなど、仏教に関連する遺構が見られます。一方、中央に建つ石造の建物は、南インドのヒンドゥー寺院に多く見られるドラヴィダ建築様式(Dravidian architecture)の影響を強く受けていることで知られています。
建築年代については諸説あり、一般的には8~10世紀頃に建てられたと推定されていますが、正確な建立年代や、もともとの用途については現在も明らかになっていません。
ヒンドゥー寺院の特徴を持つ仏教建築
ナーランダ・ゲディゲの大きな特徴は、仏教遺跡でありながら、ヒンドゥー建築の影響が随所に見られることです。
外壁には、ヒンドゥー寺院で見られるような彫刻が施されており、その中にはミトゥナ像(男女の結合を表現した装飾)と考えられるものなど、一般的な仏教寺院ではあまり見られないモチーフも確認されています。
一方、建物の中央には仏像が安置され、建築装飾にも仏像を表現した彫刻が見られます。こうしたことから、ナーランダ・ゲディゲは仏教とヒンドゥー教、双方の建築・美術的要素が融合した独特の遺構と考えられています。
その本来の用途については諸説ありますが、現在では仏教に関連する建築として理解されることが一般的です。
仏教とヒンドゥー文化が交わった時代の象徴
ナーランダ・ゲディゲが建設されたと考えられる8~10世紀頃は、スリランカの政治や文化に大きな変化が見られた時代でした。
10世紀後半には、南インドのチョーラ朝(Chola Dynasty)が勢力を拡大し、993年にはスリランカへの大規模な侵攻を開始しています。この時代には南インドとの交流が活発になり、スリランカでは南インドからの宗教や建築、美術などの文化的影響も強まっていきました。
こうした歴史的背景から、ナーランダ・ゲディゲについては、スリランカの仏教文化と南インドのヒンドゥー文化・建築文化が交わったことを示す遺構として捉える見方もあります。
ただし、ナーランダ・ゲディゲがいつ、誰によって、どのような目的で建設されたのか、また当初から仏教施設だったのかについては、現在も明確な結論が出ていません。
仏教的な要素とヒンドゥー教・南インド建築の要素が共存することからも、ナーランダ・ゲディゲはスリランカの古代史における文化交流を考えるうえで興味深い、謎の多い遺跡といえるでしょう。
ダンブッラ観光と合わせて訪れたい穴場スポット
ナーランダ遺跡は、ダンブッラとキャンディ(マータレー)を結ぶ幹線道路から約1.5kmほど入った場所にあります。
見学に必要な時間は10~20分ほどなので、シーギリヤやダンブッラからキャンディへ向かう途中、またはその逆ルートでツーリストカーを利用して移動する場合は、気軽に立ち寄ることができるスポットです。
世界遺産のような大規模な観光地ではありませんが、仏教とヒンドゥー文化が融合した独特の建築や歴史に触れられるため、歴史や建築に興味がある方にはぜひ訪れてほしい隠れた名所です。
一方で、ローカルバスなどの公共交通機関を利用して移動する場合は注意が必要です。
幹線道路から遺跡まで距離があるため、一度バスを降りて見学した後、再びバスを捕まえるまでに時間がかかることがあります。
そのため、公共交通機関で訪れる場合は、当日のスケジュールに余裕があるかを確認したうえで、立ち寄るかどうかを決めることをおすすめします。

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