スリランカは、世界でも数少ない野生のスレンダーロリスを観察できる国の一つです。専門ガイドによるロリスウォッチングツアーも各地で開催されており、野生のロリスに出会える貴重な体験ができます。
大きな丸い目と細い手足が特徴のロリスは、夜行性で非常に小柄な霊長類。昼間は木の上で眠っていることが多く、夜になるとゆっくりと活動を始めます。その愛らしい姿から動物園でも人気がありますが、野生で出会える機会は決して多くありません。
↑グレイスレンダーロリス(野生個体ではなく保護飼育個体、Pinnawala Zooにて撮影)しかし、スリランカにはロリスの生息地でナイトウォッチングを実施している施設があり、専門ガイドと一緒に探すことで、野生のロリスに出会える可能性があります。
本記事では、スリランカでロリスウォッチングができるおすすめ施設を紹介するとともに、それぞれの特徴や見どころを詳しく解説します。
この記事で分かること
スリランカで見られるロリスの種類
ロリスウォッチングができるおすすめ施設5選(実際に参加した感想)
各施設の特徴や違い
ロリスウォッチングに参加する際のポイント
「ロリスとは?」
ロリス(Loris)は、南アジアや東南アジアの熱帯雨林に生息する夜行性の霊長類(原猿)の一種です。小さな体と細い手足、そして大きく丸い目が特徴で、木の枝をゆっくりと移動する独特の動きから、多くの人を魅了しています。
ロリスは大きく「スレンダーロリス属」と「スローロリス属」に分類されますが、スリランカに生息しているのはスレンダーロリス属のみです。
↑上記画像元は©Peppermint Narwha(赤枠と日本語は追記)国内では、ハイイロホソロリス(Gray Slender Loris)とアカイロホソロリス(Red Slender Loris)の2種が確認されており、このうちアカイロホソロリスはスリランカ固有種です。
体長は約20〜25cmと非常に小さく、昼間は樹上で休み、夜になると昆虫や小型の爬虫類、果実などを探して活動します。単独または小さな家族単位で生活するため、野生で見つけるのは容易ではありません。
ロリスウォッチング(ナイトサファリ)ができる代表施設5選
① Jetwing Vil Uyana(ジェットウィング・ヴィル・ウヤナ)
| 料金 | 外国人:USD40 ローカル/居住者※:LKR5,000(レジデンスビザの提示が必須) ※ホテル宿泊者は無料で参加可能 |
|---|---|
| 開始時間 | 18:30 |
| 所要時間 | 約1時間 |
| 生息している種類 | ハイイロホソロリス(Gray Slender Loris) |
| 宿泊者以外の参加 | 〇 |
| 予約 | 要事前予約 |
シギリヤにあるラグジュアリークラスのホテルです。自然を生かした広大な敷地には、「水田」「湿地」「森林」など5つの異なる生態系をテーマにした全36棟のヴィラが点在し、それぞれ異なる景観を楽しめます。
敷地内では約140種の鳥類と20種の哺乳類が確認されており、なかでも約1.4ヘクタールのスレンダーロリス保護区を有していることが大きな特徴です。宿泊者や事前予約をした一般参加者は、野生のロリスを探すナイトウォッチングに参加することができます。
ツアーは最大10名(1名から催行)のグループで実施されます。まずロリスや夜行性動物についてのレクチャーを受けた後、動物への影響を最小限に抑える赤色灯付きヘッドライトを装着して散策します。なお、ロリスを観察できなかった場合は料金が発生しません。
私は2回参加し、1回は1頭のロリスを観察できました。ただし、かなり離れた場所からの観察となりました。
② Jungle Hideaway – Pidurangala(ジャングル ハイダウェイ-ピドゥランガラ)
| 料金 | USD45 ※2名参加の場合 |
|---|---|
| 開始時間 | 19:00 |
| 所要時間 | 約1.5~2時間 |
| 生息している種類 | ハイイロホソロリス(Gray Slender Loris) |
| 宿泊者以外の参加 | 〇 |
| 予約 | 要事前予約 |
シギリヤ近郊のピドゥランガラにある宿泊施設です。周囲を豊かな自然に囲まれ、ロリスウォッチングを目的としたナイトツアーを実施しています。
私自身はまだ参加したことはありませんが、旅行口コミサイトではロリスとの遭遇率が比較的高い施設として評価されています。
③ NIFS Popham Arboretum(ポパム樹木園)
| 料金 | USD40 |
|---|---|
| 開始時間 | 18:30 |
| 所要時間 | 約1時間 |
| 生息している種類 | ハイイロホソロリス(Gray Slender Loris) |
| 宿泊者以外の参加 | 〇 |
| 予約 | 要事前予約 |
英国海軍士官だったサム・ポパム(1923〜2022年)が1963年に設立した樹木園です。1989年にポパム氏から寄贈を受けたNIFS(National Institute of Fundamental Studies)が園内を拡張し、現在では約34.5エーカーの広さを誇ります。
園内には樹齢300年以上の黒檀(エボニー)をはじめ、多種多様な植物が生育しており、哺乳類や鳥類などの野生動物も数多く確認されています。豊かな自然環境から、ロリスウォッチングの人気スポットとしても知られています。
ロリスウォッチングは基本的に参加グループごとにガイドが付きますが、ガイドの人数や当日の参加者数によっては、ほかのグループと合同になる場合もあります。私は約1時間半のツアーで子どもを抱えた個体と単独個体の計2頭を観察できました。別のグループは開始30分ほどで2頭見られたとのことで、比較的遭遇率も高く、おすすめできるスポットです。
現在の受付兼ロッジは、もともとサム・ポパム氏の住居で、ロッジと給水塔はジェフリー・バワが設計したといわれています。
📝関連記事:ヘリタンスカンダラマに近いバワ建築『ポパム樹木園』(ネイチャーアクティビティスポット)
④ Primate Eco Lodge(プライメイト・エコロッジ)
| 料金 | 要確認 |
|---|---|
| 開始時間 | 日没後(19時前後) |
| 所要時間 | 約1~2時間 |
| 生息している種類 | ハイイロホソロリス(Gray Slender Loris) |
| 宿泊者以外の参加 | 〇 |
| 予約 | 要事前予約 |
ポロンナルワにある「スミソニアン協会霊長類リサーチセンター」内にあるエコロッジです。
長年にわたりスリランカ国内外の霊長類研究を続けている行動生態学者ウルフ・ディタス(Wolf Dittus)氏が運営に携わっており、専門的な解説を聞きながら霊長類を観察できるのが魅力です。
ロリスウォッチングだけでなく、昼間には世界遺産ポロンナルワ遺跡群を舞台に、サルの行動観察ツアーも実施しています。遺跡と野生動物を同時に楽しめる、スリランカでも珍しいプログラムです。
ロリスウォッチングはリサーチセンターの敷地内で行われます。敷地内には丈の低い木も多く、運が良ければ間近でロリスを観察できます。これまで参加したロリスウォッチングの中で、最も近い距離でロリスを観察できた施設です。
宿泊施設はゲストハウスのようなシンプルな造りですが、近隣にはHotel Sudu Araliyaなどもあるため、そちらに宿泊してツアーだけ参加することも可能です。一方で、ロッジに滞在すれば、ディタス博士から貴重な話を聞ける機会があることも、この施設ならではの魅力です。
⑤ The Rainforest Ecolodge(レインフォレスト・エコロッジ)
| 料金 | 要確認 |
|---|---|
| 開始時間 | 要確認 |
| 所要時間 | 要確認 |
| 生息している種類 | アカイロホソロリス(Red Slender Loris) |
| 宿泊者以外の参加 | × |
| 予約 | 要事前予約(チェックイン時に予約も可能) |
シンハラジャ森林保護区のデニヤヤ側に位置するエコロッジです。宿泊棟には再利用された貨物コンテナが使用されていますが、客室設備や食事は充実しており、快適に滞在できます。
ロッジは標高約900〜1,000mの山頂付近に位置するためアクセスには時間がかかります。そのため、シンハラジャ森林保護区観光の拠点というよりも、このロッジでの滞在やアクティビティそのものを目的に訪れる宿泊施設といえるでしょう。
熱帯雨林トレッキングやバードウォッチング、紅茶プランテーション散策、ロリスを探すナイトトレッキングなど、多彩なアクティビティが用意されています。また、長靴やレインコート、ヒル除け靴下、ヘッドランプなども貸し出されています。
ナイトトレッキングは基本的に公道を歩いて行われるため、観察範囲が広く、ロリスとの遭遇率はそれほど高くありません。私は2回参加しましたが、残念ながらロリスを観察することはできませんでした。しかし、ガイドの解説が充実しており、夜の熱帯雨林ならではの生き物を観察できるなど、自然そのものを楽しめるツアーでした。
各施設の特徴や違い
| 施設 | こんな人におすすめ |
|---|---|
|
ジェットウィング・ヴィル・ウヤナ Jetwing Vil Uyana シギリヤ |
シギリヤ観光とあわせて、気軽にロリスウォッチングを体験したい人 |
|
ジャングル・ハイダウェイ Jungle Hideaway – Pidurangala シギリヤ |
ロリスとの遭遇率を重視し、口コミ評価の高いスポットを探している人 |
|
ポパム樹木園 NIFS Popham Arboretum ダンブッラ |
ロリスとの遭遇率を重視する人や、バワ建築にも興味がある人 |
|
プライメイト・エコロッジ Primate Eco Lodge ポロンナルワ |
ロリスをできるだけ近くで観察したい人や、霊長類について深く学びたい人 |
| レインフォレスト・エコロッジ The Rainforest Ecolodge デニヤヤ |
固有種であるレッドスレンダーロリスを狙いたい人や、熱帯雨林の夜の自然を満喫したい人 |
参加時の注意点
夜の参加となりますので、宿泊者以外は必ず行き帰りの車を用意してください。特にシギリヤ・ダンブッラエリアは夜は公道にもゾウが出没します。
また、暗い道を歩くため、歩きやすい靴を着用しましょう。枝が当たることもあるため、長袖・長ズボンがおすすめです。
野外の歩行になるので、虫よけスプレーをして参加をお勧めします。
まとめ
スリランカでロリスウォッチングを楽しむなら、事前に施設ごとの特徴や生息するロリスの種類を確認しておくことが大切です。ロリスは野生動物のため観察を保証することはできませんが、経験豊富なガイドと一緒に探すことで遭遇できる可能性は高まります。
ロリスは野生動物なので、必ず出会えるとは限りません。しかし、その分、実際に出会えたときの感動は格別です。スリランカを訪れる際は、ぜひロリスウォッチングにも挑戦してみてください。
私はこれまで5か所のロリスウォッチングスポットのうち4施設に実際に参加しましたが、ロリスとの距離やガイドの解説、森の雰囲気は施設ごとに大きく異なりました。それぞれに魅力があるので、訪れる地域に合わせてぜひチャレンジしてみてください。
スリランカ動物関連記事
🔗エレファントギャザリングとは?スリランカで100頭以上の野生ゾウが集まるシーズン到来
🔗スリランカの国立公園とサファリ完全ガイド(おすすめスポット・ベストシーズン・見られる動物)
🔗スリランカで動物観察が楽しめるホテル4選(バードウォッチングやロリス観察も)
🔗スリランカで野生のフラミンゴが見られる!マンナールのスポットと観察シーズン
↑A Naturalist's Guide to the Mammals of Sri Lanka↑Mammals of Sri Lanka (Pocket Photo Guides) (English Edition)





.jpg)
コメント
コメントを投稿