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ジェフリーバワ(Geoffrey Bawa/1919~2003年)の約2カ月にわたる展覧会が2/1より開催されています。スリランカでの本格的展覧会は今回が初めてで、展示されている約120点の資料のほとんどは初公開となっておりとても貴重な展覧会となっています。
展覧会は4つのテーマセクションで構成され、前ブログ『バワの原点を知る手紙から幻のホテルまで...ジェフリーバワ展覧会『It is Essential to be There』(前編)』(←タイトルをクリックすると記事にリンクします)では、【Introduction】,【Situating a Practice】,【Searching for a Way of Building】の展示内容について紹介しました。
今回は【Colleagues, Clients and Friends】のテーマブースについて。
このブースではモニターが置かれ、バワのかつての友人、同僚、協力者やクライアントなど下記16人の回顧話のビデオが流れています(通しで19分10秒)。
Amila de Mel, Anura Rathavibhushana, Channa Daswatte, David Robson, Dominic Sansoni, Ismeth Raheem, Dr. K. Poologasundram, Jaime de la Peña, Laki Senanayake, Michael Snelling, Philip Fowler, Pierre Pringiers, Saskia Pintelon, Suhanya Raffel, Sumangala Jayathilake, Sunethra Bandaranaike
(ABC順)この映像や音声は、BAWA生誕100周年を記念して2018年から2021年にかけて開催された『BAWA100』というジェフリーバワ財団のプロジェクトの一つ【Oral Histories Project】で製作されたものです。
このプログラムは、バワのかつての友人、同僚、協力者やクライアントなどの回顧話を音声とビデオ形式で記録することにより、バワの建築の実践や本質、手法、人格、作品について考察し、バワの作品についてより深く理解できるようにすることを目的として製作されました。
今回展覧会で流されている映像は、バワ財団の公式YouTubeチャンネルで公開されている対談や回顧録の抜粋です。
【Colleagues, Clients and Friends】
▪アミラ デ メル(Amila de Mel):1991年から1995年までバワの建築事務所で働いていた建築家。エナデシルバ邸のルヌガンガへの移築プロジェクト時には中心となって解体ならびに再建に尽力しました。
▪アヌラ ラトナヴィブシャナ(Anura Rathavibhushana/1940~):60年代から70年代にかけて、E.R.&B.建築事務所でバワとともに働いていた建築家。今展覧会にも展示紹介がある、「スチールコーポレーション」や大阪万博の「セイロンパビリオン」などのプロジェクトにバワと共に携わっています。
▪チャンナ ダスワッテ(Channa Daswatte/1965~):1991年にバワの建築事務所に入り、1993年以降はバワのチーフアシスタントを務めていた建築家。バワとは46歳の年の差はあれど、親友で旅仲間で同僚でもあり、現在はジェフリーバワ財団とルヌガンガ財団の会長も務めています。今展覧会では、アドバイザーの一人を務めています。
▪デイヴィッド ロブソン(David Robson):ブライトン大学の建築科教授で、1969年から1972年までコロンボ大学(当時名はセイロン大学)で教鞭をとっていた時にバワと初めて出会います。バワについて最も多くの著書があります。[geoffrey bawa/the complete works]は、[ジェフリーバワ/全仕事]のタイトルで和訳刊行されています。
▪ドミニク サンソーニ(Dominic Sansoni/1956~):写真家でルヌガンガの写真集などバワ関連の写真も多く撮影しています。ベアフット創業者のアーティスト兼テキスタイルデザイナーで、バワとは遠い親戚かつ仕事仲間であるバーバラサンソーニの息子でもあります。
▪イスメス ラヒーン(Ismeth Raheen/1941~):1968年から1976年まで主にバワと仕事をしていた建築家で、今展覧会にも展示紹介がある「ベントタビーチホテル」などに携わりました。建築家であると共に画家でもあり、ベントタビーチホテル(現 シナモンベントタビーチ)にも彼の絵が掲げられてます。
▪Dr. ポーロガサンドラム(Dr. K.Poologasundram):ステートセメントコーポレーション社の上級設計技術者であったポーロガサンドラム博士は1960年代前半、技術者として非公式にバワの相談役を務めており、1966年から約30年にわたり、E.R.& B.建築事務所のパートナー兼事務所長を務めました。
▪ジェイミー デ ラペナ(Jaime de la Peña):ロンドンのウェストミンスター大学で建築を学んだあとベルリンの建築事務所を経て、バワの事務所やイギリスのウォルターズ&コーエンのもとで修行を積みました。
▪ラキ セナナヤケ(Laki Senanayake/1937~2021):ヘリタンスカンダラマのフクロウ、ジェットウィングライトハウスの螺旋階段、大阪万博の菩提樹、国会議事堂のシャンデリアなど、バワ建築に多くの彫刻や絵画作品を残しているラキは画家で彫刻家で、建築家で景観デザイナーなど幅広い分野で沢山の作品を発表している芸術家す。
バワとの付き合いは、建築製図家としてキャリアをスタートし、18歳の時にE.R.& B.建築事務所でバワと仕事を始めてからと長きにわたります。
▪マイケル スネリング(Michael Snelling)& スハーニャ ラッフェル(Suhanya Raffel):マイケルは、写真家、作家、キュレーターでもあり、シドニー、アデレード、ブリスベンの各大学で講師を務めているほか、展覧会の企画や、現代美術に関する出版物を手がけています。今展覧会では、アドバイザーの一人を務めています。妻のスハーニャは、2021年11月にグランドオープンした香港のM+美術館のエグゼクティブディレクターであり、ジェフリーバワ財団とルヌガンガ財団の理事を務めています。彼女の父親で医師のクリスはバワの古くからの友人で、1962年にバワにコロンボの自宅の設計を依頼しました。スハーニャはラッフェル一家でオーストラリアに移住するまで、バワが設計した家(通称ラッフェルハウス)で育ちました。
▪フィリップ ファウラー(Philip Fowler):1980年代にE.R.& B.建築事務所に雇われ、スリランカの新国会議事堂の設計に協力した4人の若いインド人建築家の一人です。
フィリップは1987年にインドに戻るまで、トリトンホテル(現 ヘリタンスアフンガッラ)、ドゥルヴィデサラム邸、スネトラバンダラナヤケ邸などのプロジェクトに携わりました。
▪ピエール プリンジェ(Pierre Pringiers)& サシカピンテロン(Sasika Pintelon):ベルギー出身のアーチストのサスキアと夫で実業家ならびに慈善家のピエールは、1982年にスリランカに移住し、コロンボのエナデシルバ邸やルヌガンガのシナモンヒルハウスなど、バワが設計した物件に何年も住んでいました。彼女の作品の多くはジェフリーバワコレクションに収蔵されており、ルヌガンガやナンバー11でも見ることができます。
▪スマンガラ ジャヤティラケ(Sumangala Jayathilake):1986年にバワが採用し、1993年までE.R.& B.建築事務所で働きました。彼はバワのNo.11(通称 33番通り事務所)の専任アシスタントでした。前述していますが、今展覧会のIntroductionのブースにあるルヌガンガの3枚の地図は、彼が描いたものです。
▪スネトラ バンダラナイケ(Sunethra Bandaranaike):ジェフリーバワ財団とルヌガンガ財団の元理事長で、両財団の管財人でもあります。政治一家のバンダラナイケ家はバワのクライアントでもありました。
スネトラはバワにコロンボの住宅の改装を依頼したほか、ホラゴッラにあるバンダラナイケ家の厩舎を住宅に改築するように依頼しました。この住宅は、「スネトラバンダラナイケハウス(通称 ホラゴッラハウス)」として、建築雑誌やデザイン雑誌にも取り上げられています。スネトラはクライアントでもある一方でバワの親友でもあり、バワの保証人の一人でもありました。
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